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ピンゴルフジャパン株式会社

キャリアデザイン室の立ち上げで「キャリア」を身近に

ピンゴルフジャパン株式会社

活用テーマセルフ・キャリアドック

所在地埼玉県戸田市美女木東 2-1-14

業種製造業

設立平成16年1月

従業員400名

導入の経緯

キャリア認識のギャップを埋め、社員が自分のキャリアを考えられる会社へ

 当社は、米国に本拠地を置くゴルフ用品メーカーの日本法人として、ゴルフクラブや周辺用品の開発・製造・輸出入・販売を行っています。創業以来変わらないものづくりへのこだわりを武器に、革新的なゴルフクラブを世界中のお客様に届けています。また、「チャレンジ大歓迎」を大切にし、社員一人ひとりが自ら考え、挑戦する風土が根付いています。

 一方で、近年、若手社員の採用を強化する中で、世代間でキャリアに対する認識にギャップがあることを感じるようになりました。若手社員の多くは、大学などでキャリア教育を受けており、「キャリア」という言葉が身近なものになっています。しかし、彼らを受け入れるマネージャー層や中堅層には、キャリア形成支援について体系的に学ぶ機会は限られていました。

 こうした中で、ある一人の社員が、自身のキャリアについて考えるためにキャリアコンサルタントの資格を取得しました。勉強の一環として、キャリア形成・リスキリング支援センターのオンラインセミナーを受講した際、その内容に大きな関心を持ち、「自分が学んだことを周囲に伝え、社員一人ひとりがキャリアを自分事として捉えられる会社にしていきたい」と考えるようになりました。人事部門ではないその社員が、会社としてキャリア形成を支援していく必要性を感じ、経営層への提案を行いました。「チャレンジ大歓迎」を大切にする当社では、提案の趣旨や必要性について理解が得られ、本事業の支援を活用して取組を進めることになりました。

取組内容と効果

セルフ・キャリアドックの手応えを社内に広げる、キャリアデザイン室の立ち上げ

 社員一人ひとりにキャリアデザインの考え方を浸透させるためには、まずはマネージャー層の理解を得る必要があると考えました。そこで初年度(令和 6 年度)は、本事業の支援を受け、マネージャー層 22 名を対象に、ジョブ・カードを活用したキャリアセミナーとキャリアコンサルティングを実施しました。受講前は、「部下のキャリア支援までマネージャーの仕事なのか」「それは人事の仕事ではないか」という反応もありました。しかし、自分自身のキャリアを振り返り、現在の役割や今後について見つめ直す中で、マネージャーとしての役割や部下の育成について考えるきっかけが生まれました。こうした経験を通じて、マネージャー自身がキャリアと向き合うとともに、社員一人ひとりが自身のキャリアを見つめ直すことの意義について理解を深めることができました。その結果、社員にキャリアセミナーやキャリアコンサルティングへの参加を促すことについても理解が得られ、55 歳以上のセカンドキャリア層、中堅層にも対象を広げて実施しました。

 55 歳以上のセカンドキャリア層からは 5 名が参加しました。当初は、「定年まであと数年だから」と消極的な声もありましたが、受講後には「もう一踏ん張りしてみよう」「まだ間に合う」といった前向きな反応が聞かれました。一方、中堅層は 13名が参加しましたが、一度のキャリアセミナーとキャリアコンサルティングだけでは変化が見えにくい面もありました。この経験を通じて、キャリア形成を支援するためには、一度きりの機会ではなく、時間をかけて自己理解を深めていくことが重要であるとの認識に至りました。

 こうした初年度の取組を踏まえ、令和 7 年度は、セルフ・キャリアドックの導入支援を活用し、新卒を含む 20 代の若手層 33 名を対象に、キャリアセミナーとキャリアコンサルティングを実施しました。開始前には、何か自分のキャリアにアドバイスをしてもらえるのではないかといった期待も見られましたが、キャリアは自分自身で考えていくものであるというメッセージを伝えることで、自分の中にある考えを整理し、今後のキャリアやスキルアップに向けた行動につなげていく様子が見られました。その後、「将来はこういう仕事がしたい」「今後のキャリアを見据えて IT パスポートを取得した」といった声も届いています。

 また、社内にはキャリアコンサルタントの資格に興味を持ち、その後実際に資格を取得した社員も現れました。自ら学び、資格取得にチャレンジする社員が現れたことは、キャリア形成を自分事として捉える風土が少しずつ育ってきている証だと捉えています。

 そして令和 8 年度は、セルフ・キャリアドックを本格的に導入するため、社員がキャリアについてより身近に考え、いつでも相談できる環境として「キャリアデザイン室」を立ち上げました。キャリアセミナーによって考えるきっかけをつくり、個別相談によって一人ひとりに寄り添うという 2 つのアプローチで、社員のキャリア形成を支援していくことを目指しています。

 立ち上げにあたっては、「キャリアデザイン室」のロゴを作成し、食堂や各部署の壁、一人用作業ブースなどにポスターを掲示するとともに、メールや社内コミュニケーションツールでも告知を行いました。誰も「キャリアデザイン室」の存在を知らない状態から始まったため、まずはその存在や役割を広く知ってもらうことに力を入れました。

 面談は、キャリアコンサルタントの資格を持つ社員 2 名が担当し、全社員がいつでも何度でも相談できる環境を整えました。当初は年間 10 名程度の利用を想定していましたが、開設から約 4ヶ月で 7 名が利用しており、気軽に相談できる場として活用され始めています。

 一方で、「キャリアデザイン室が何をするところなのか分からない」という声もあり、 社内での認知はまだ十分とは言えません。そこで、より多くの社員にキャリアデザイン室の役割を知ってもらい、自分自身のキャリアについて考える機会をつくるため、約 200名が所属するプロダクション(製造)部門へ出向き、まずはリーダー6名を対象に「キャリアとは」をテーマにしたセミナーを実施しました。今後は、サブリーダー、一般職へと段階的に広げていく予定です。

 こうした取組を進める中で、ある一人の社員から、「営業に興味があるが、どうすればいいか」と相談を受けるケースもありました。そこで、キャリアデザイン室から営業部門の担当者につなぎ、ざっくばらんに話ができる機会を設けることになりました。営業の具体的な業務内容や求められるスキルへの理解が深まり、「営業がどういう仕事かわかって、もっと興味が湧いてきた」と、キャリア意識がより明らかになる場面もありました。これまでは、所属する部門によっては他部門の仕事について知る機会が少なく、また上司にも別の仕事への関心について相談しにくい場合もありました。今回、キャリアデザイン室が部門を超えた相談の窓口となり、社員と社内のさまざまな仕事をつなぐハブの役割を果たせたことは、大きな成果の一つだと捉えています。

 また、キャリアデザイン室の取組に加えて、会社全体としてもキャリアを意識する動きが広がり始めています。これまで業績目標が中心だった目標設定シートに、キャリアに関する設問が追加されました。これにより、上司との面談でも業務目標だけでなく、今後の働き方やキャリアについて話す機会が生まれています。キャリアについて考えることが特別な取組ではなく、人材育成や面談の中に少しずつ組み込まれ始めていることは、大きな変化の一つと捉えています。

今後の取組

社内キャリアコンサルタントを増やし、全社員が日常的にキャリアを語り合う職場へ

 今後は、日常会話の中でもキャリアについて自然に話せる環境を目指しています。そのために、現在進めている段階的なキャリアセミナーを継続し、社員一人ひとりが自分の経験や強みを振り返り、今後の働き方やキャリアを主体的に考える機会を増やしていきます。こうした考え方を全社員に共通するものとして浸透させていきます。

 また、社内のキャリアコンサルタントを増やしていくことも目指しています。現在は 40 代・50 代の男女 2 名ですが、将来的には 10 名程度まで増やし、年齢やバックグラウンドの異なる多様な相談相手がいる状態をつくりたいと考えています。マーケティングやプロダクション、経理などさまざまな部門を経験した社員がキャリアコンサルティングを担うことで、社員が「この人に相談してみよう」と思えるよう、相談相手を選択できる体制を構築していきます。

 こうしたキャリアデザイン室を中心とするセルフ・キャリアドックの取組を通じて、社員一人ひとりが「自分は何をしたいのか」を見つめるとともに、「自分の仕事を通じて会社にどのように貢献していくのか」を考えられるようになることを目指しています。すでに、他部署の仕事に興味を持った社員と、その部署で経験を積んだ社員をつなぎ、キャリアについて語り合う機会も生まれています。こうした対話を、特別な機会に限らず日常の中にも広げながら、自分のやりたいことと社内の仕事や役割を結びつけ、それぞれの強みを会社の中で生かしていける環境をつくっていきたいと考えています。

 自らのキャリアと主体的に向き合い、新しいことにチャレンジする社員を増やすことが、組織の活力につながっていくと考えています。今後も、全社員が自身のキャリアを前向きに捉え、それぞれの強みや思いを生かしながら働ける環境づくりを進めていきます。

活用事例

株式会社青森みちのく銀行

キャリア自律を体系的に推進、「自ら切り拓くキャリア」へ

株式会社山形環境エンジニアリング

社員の成長と会社の成長が循環する風土づくり
「教育体系の整備と対話を通じて、学びを活躍と定着につなげる」

佐藤繊維株式会社

従業員が自ら選んだ職種に自信を持って仕事に向き合い、長く活躍してもらいたい

社会福祉法人峰陽会 あずま保育園
幸洋汽船株式会社

人材育成と組織づくりで、乗組員一人ひとりの人生を豊かにしたい

萩原工業株式会社
株式会社コヤマ・システム

セルフ・キャリアドックを起点に、従業員が自分の将来像を描いて実現できるようキャリアパスの明確化を進める

株式会社メタルテック

社員一人ひとりが将来を描ける仕組みづくりとキャリア支援

株式会社クリオネ

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