萩原工業株式会社
若手社員の定着と次世代リーダー育成を見据えたキャリア支援の強化
活用テーマセルフ・キャリアドック
所在地岡山県倉敷市水島中通一丁目4番地
業種製造業
設立昭和37年11月
従業員545名
導入の経緯
若手の離職増加とリーダー候補の育成という課題に向き合い、キャリア形成支援に本格的に取り組む
当社は、岡山県倉敷市に本社を置く製造業として、60年以上にわたり事業を展開してきました。従業員数は545名で、水島本社をはじめ複数拠点で製造・販売活動を行っています。
近年、当社では若手社員の離職率が高まってきているという課題を抱えていました。入社後数年で退職を選択する社員が一定数いることから、やりがいや働きがいを実感しづらい状況があるのではないかと考えるようになりました。また、次世代を担うリーダー候補の育成も重要なテーマとなっていました。階層別の研修はありますが、若手社員を対象とした研修の機会は十分ではありませんでした。
このような背景から、若手社員がキャリアビジョンを描き、自分自身を前向きに見つめ直す環境づくりを進めたい。それが将来の幹部候補となる人材を計画的に育成していくことにつながると考えました。ワークエンゲージメントを高め、仕事への意欲や主体性を引き出すことができれば、離職の抑制やリーダー候補の育成にもつながるのではないかと期待しました。
そうした中で、キャリア形成・リスキリング推進事業をご紹介いただき、セルフ・キャリアドック導入支援に興味を持ちました。特に、キャリアセミナーだけでなく、第三者であるキャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングを受けられることに魅力を感じました。普段、若手社員が仕事や将来について相談する相手は上司が中心であるため、第三者に話を聞いてもらうことで、上司には話しにくい悩みや考えも話せる機会になるのではないかと考えました。
こうした理由から、令和7年度に本事業を活用することを決めました。若手社員が自らのキャリアを見つめ直す機会をつくるとともに、社員一人ひとりの能力開発を推進し、自律的で主体的なキャリア形成を支援したいと考えたことが、導入支援を活用した大きな理由です。
取組内容と効果
新人・若手社員57名にキャリアセミナーとキャリアコンサルティングを実施
令和7年度は、セルフ・キャリアドック導入支援の中で、新人・若手社員を対象としたキャリアセミナーとキャリアコンサルティングを実施しました。対象は主に入社2~6年目の社員で、本社のほか、県内にある3カ所の工場から計57名が参加しました。
勤務地が分かれているため、キャリアセミナーは3回に分けて実施しました。自身のキャリアについてじっくり考えてもらうには、対面の方が効果的だと判断し、可能な限り本社に集まる形式を取りました。参加が難しかった社員には、個別にジョブ・カード作成方法をレクチャーし、作成後にキャリアコンサルティングを受けてもらいました。
キャリアコンサルティングは、業務の都合を踏まえて対面とWEBの両方で行いました。当社では6パターンの交替勤務があり、急な業務都合で参加できなくなる社員もいたため、日程を入れ替えるなど柔軟に調整し、全員が受けられるようにしました。参加した社員からは、「将来のキャリアについて考える良い機会になった」「考えていたことを行動に移そうと一歩前に進めるような面談になって良かった」という声が寄せられました。
今回の取組をきっかけに、令和8年2月より、上司と部下によるキャリア面談をスタートしました。これは賞与査定の面談とは別に行うもので、「頑張りたいこと」「やりたいこと」「意識したいこと」を確認しながらコミュニケーションを取ることを目的とし、若手社員を中心として年2回実施していきます。
導入当初は「日頃から十分に話しているので、改めて面談する必要性を感じにくい」という声もありました。しかし、キャリア面談の趣旨や目的を丁寧に共有しながら続けることで、上司側に、日常的な業務上のコミュニケーションだけでなく、若手社員のキャリア形成や将来の目標について話すことの重要性が認識されるようになりました。これまで日常的なコミュニケーションのみにとどまっていた若手社員との対話を、キャリア形成を意識した面談の場へと発展させ、継続的に将来について話し合う機会を持てるようになっています。一方、若手社員からも「キャリアを考えるきっかけになった」という前向きな声が多く寄せられています。キャリアやライフイベントについて相談しやすい場として受け止められるようになり、自ら将来や働き方について上司に相談する姿勢が見られるようになりました。
会社全体として、若手社員との対話を継続的に実施していく必要性を認識し、キャリア形成支援を日常的なマネジメントの一部として位置付ける意識が高まっています。
今後の取組
若手からシニアまで全世代のキャリア支援を強化していく
今回の取組を通じて、社員一人ひとりが自身のこれまでを振り返り、今後のキャリアを考える機会を持つことの重要性を改めて実感しました。
特に、これまで十分に取り組めていなかった若手〜中堅世代については、今回と同様の研修などの機会を提供できるよう模索していきたいと考えています。
また、シニア層へのキャリア形成支援も強化していきます。もともと社内独自の取組として、50~60歳の社員を対象に、キャリアの棚卸し、セカンドキャリア、マネー講座などの研修を中心に行っていました。令和8年度は、さらに対象を45歳以降の社員に広げるとともに、キャリアセミナーに加えてキャリアコンサルティングも受けられる「ミドル・シニアいきいきキャリアプラン塾」を活用する予定です。
さらに、次期リーダー候補を育成することを重要な課題と捉え、今期から社内の事務局が選定したメンバーを対象に、2カ年計画でリーダー研修を実施する予定です。まずは8か月間、月1回のペースで研修を行い、コミュニケーションや効果的な意思疎通、部下の話の聞き方、自己理解を仕事にどう活かすかといったテーマを扱いながら、次期リーダー層の能力の底上げを図っていきます。こうした取組等を通じて社員の能力開発を積極的に推進するとともに、自律的かつ主体的にキャリアを形成できるよう支援を強化していきます。
今後も、社員一人ひとりのキャリア形成に寄り添いながら、やりがいや働きがいを持って働ける環境を整えることで、社員が将来のキャリアビジョンを描ける会社を目指します。あわせて、ワークエンゲージメントを醸成し、仕事への意欲や主体性を高めることで、組織全体の活力向上につなげていきます。
本事業の支援も活用しながら、キャリア形成支援の取組を継続していきたいと考えています。
