ケイミュー株式会社 北九州工場
キャリア形成支援を強化してエンゲージメントの向上、組織活性化へ
活用テーマジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティング
所在地福岡県北九州市若松区響町1-1-2
業種製造業
設立平成15年12月
従業員232名(北九州工場合計)
導入の経緯
「働きがいのある職場環境づくり」を目指して
当社は、大阪に本社を置く住宅建材メーカーです。日本全国に拠点を展開し、外壁材や屋根、雨どいをはじめとする住宅建材の製造・販売を行っています。会社全体の方針としてエンゲージメント強化を掲げ、「新たな挑戦を後押しする風土」の醸成に取り組んでいます。
エンゲージメントを強化するために、本社主導で、キャリアの節目で「今後どう働き、どう役割を果たすか」を整理するための年代別研修の実施や、ITツール導入などに取り組んでいますが、それに加え、北九州工場では令和6年度から、「働きがいのある職場環境づくり」を目指し、上司と部下の定期的な1on1ミーティングを実施しています。「部下の思いや悩みを聞き、モチベーション向上に繋げる場」としたいと考え、面談者となる作業長クラスの職員に1on1ミーティングのやり方などの研修等を実施したものの、実際にやってみると業務報告や進捗確認の話題が中心になってしまい、部下のキャリア形成やモチベーションといった話題に至らない実態がありました。
また、従業員の意識調査では、仕事や成長への意欲があまり高くない社員が過半数を占める結果となり、エンゲージメント面の課題が改めて浮き彫りとなりました。少子高齢化が進み採用が厳しい社会情勢の中で、エンゲージメントを高めて従業員に長く当社で働いてもらうためには、働きがいのある職場づくりと意識改革は急務と考えました。
そうした中、総務部が採用の相談をしていた福岡県中小企業雇用環境改善支援センターから、福岡キャリア形成・リスキリング支援センターによる、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングの紹介がありました。「利害関係のない第三者であるキャリアコンサルタントとの対話であれば、既存の1on1で対応できていなかった、従業員一人ひとりの強みや今後の目標を整理し、キャリア形成や業務への主体性を引き出すことができる。それが働きがいの向上にもつながる」と考え、導入を決めました。
取組内容と効果
資格取得や新たな挑戦など、従業員の主体的な行動変容も
常勤の従業員を対象に、管理職の最低年齢である45歳以上を対象とする回と、45歳未満を対象とした回の2回に分けて、計97名に、ジョブ・カードを活用したキャリア形成セミナーとキャリアコンサルティングを実施しました。勤務時間内での開催であったため、業務や会議の合間に参加できるよう、各部署と調整を行いました。
セミナーは、「一人ひとりが主体的に学び、自律したキャリア形成ができること」をゴールに置き、なぜ今キャリア自律が必要なのかという点から学びました。そして、「自身の価値観やモチベーションの元となる自分の中に内在する強み・意欲・仕事観などの働き方を選ぶ際の判断基準を明確にすると、従業員が自ら、今後のキャリアや役割を主体的に考える上での軸ができる」と説明を受け、ジョブ・カードを活用し、内的キャリアの明確化に繋がる自己理解のワークを行いました。その後、セミナーで作成したジョブ・カードを基にキャリアコンサルティングに臨みました。
実施後、従業員からはセミナーについて「ジョブ・カードを活用してキャリアの振り返りをすることで、先を見据えた行動を考えることができた」「自分の強みが可視化された」という感想が寄せられました。セミナーについては82%、またキャリアコンサルティングについては93%が「有益だった」と回答し、「自分のやりたいこと、大切にしていることが明確になり、改めて、どうキャリアプランニングをしていくべきか知ることができた」「これからも定期的に自分のキャリアの振り返りをしていきたい」「今後伸ばしたいスキルが明確になった」等の感想が聞かれました。
キャリアコンサルティングの後、ある従業員からは、「職場環境を改善するために、安全に関する技能講習で取得した資格を活かして、作業現場の酸素濃度を測定してみたい」という申し出がありました。これまで同様の資格は「持っているだけ」になりがちでしたが、取得した資格を積極的に現場の安全確保に活かそうとする、前向きな行動が見られました。また、これまで敬遠されがちだった出張・宿泊を伴う資格取得に挑戦したいという従業員も出てきました。さらに、50代の従業員が新しいITツールの習得に挑戦し、使い方を積極的に質問している姿も見られるようになりました。今回の取組で自身のキャリアを見つめ直したことで、目標に向けてやるべきことが整理され、学びに前向きな姿勢に繋がっていると考えています。
今後の取組
ジョブ・カードを活用したキャリア形成支援を継続したい
今後は、本社の方針とも連動させながら、当工場としてもキャリア形成支援を一過性の取組で終わらせず、継続的な仕組みとして社内に定着させていきたいと考えています。例えば、ジョブ・カードの定期的な更新を推奨し、自己の振り返りや目標に対する進捗確認、キャリアプランの見直し、さらには上司との面談に活用することを検討しています。また、今回受講していない交替勤務の従業員にもキャリアコンサルティングを受けてもらえるよう、外部のキャリアコンサルタントによる支援も視野に入れ、実施方法を検討しているところです。
そうしたジョブ・カードの活用やキャリアコンサルティングの継続に加えて、資格取得やスキルアップへの支援、ジョブ・カードの定期的な更新や上司面談での活用構想、現在は全体の1割である女性従業員がより活躍できるような環境の整備など、多方面から従業員のエンゲージメントの向上を目指した取組を検討しています。
キャリア形成支援を含めたエンゲージメント向上のための取組を継続することで、働きがいと愛着のある職場づくりを進め、組織の活性化と事業の成長にもつなげていきたいと考えています。
