阿南工業高等専門学校
自己理解・仕事理解を深め、エンジニアとして自己実現ができる就職先を選択する!

活用テーマジョブ・カードを活用した就職指導
所在地徳島県阿南市見能林町青木265
業種教育、学習支援業
事業概要創造技術工学科:機械コース、電気コース、情報コース、建設コース、化学コース
設立昭和38年4月1日
学生数本科806名 専攻科36名(令和6年4月1日現在)
導入の経緯
インターンシップ実施前に、自己理解を深め、自身の強みを活かせる就職先を広く検討してほしい
当校では、企業研究セミナーを開催し、企業の人事担当者から直接会社概要の説明を聞き、学生が3年生から早期に多くの企業を知る機会を設けています。そして4年生では、履歴書の書き方や自分の強みを考える授業を行い、具体的な企業選択の検討につなげています。ただ、これまでは、インターンシップ先を探す際にも、自主的に複数調べて検討する学生が少なく、視野が狭いように感じていました。
また、高等専門学校生向けの求人倍率が高いこともあり、就職先を「インターンシップ中に感触が良かったから」「先輩がいるから」等という理由で選択し就職していく学生も一定数おり、自身がやりたいエンジニア像や仕事内容を就職活動前や就職時に描くことで、自分らしいキャリアを築いてもらいたいという想いを持っていました。
令和6年2月、徳島キャリア形成・学び直し支援センターからの提案を受け、5年生のうち、内定が決まらない学生に対してはフォローしている一方で、就職が内定した学生に対するケアが十分にできていないということを踏まえ、就職が内定した学生を対象に、社会人になる前にジョブ・カードを活用して自己理解を深め、エンジニアとしてのキャリアプランを考えるセミナーを実施しました。アンケート結果には、「職業選択時に有益」「改めて自分を見つめ直すきっかけになった」「自覚していなかった考えに気づいた」等の声があり、学生にとってキャリアを考えるきっかけとなる有益な研修であると感じました。
その結果を踏まえ、内定後ではなく、就職先を選択する前、インターンシップ前の4年生を対象に実施することで、より早い段階で自己理解を深めるとともに職業に対する考えや自覚を明確にして主体的な職業選択を行って欲しいと考え、徳島キャリア形成・リスキリング支援センターと相談の上、令和6年5月にジョブ・カードを活用した「自己理解&キャリアプランセミナー」を導入することとしました。
取組内容と効果
ジョブ・カード作成補助シートで自己理解を深めたことで、視野を広げて活動する学生が増えた
「自己理解&キャリアプランセミナー」で、エンジニアとして「ありたい姿」とは何かを見極める為、ジョブ・カードを活用することで自己理解を深めました。具体的には、ジョブ・カード活用ガイドを使用して、まず、ライフラインチャートを作成し、自分の人生で何が重要だったのか、どんな経験が大きな影響を与えたのかを振り返ることで、価値観や優先順位を明確にしました。加えて、職業選択理論(RIASEC)のアセスメントを活用し、自身の興味や特性を客観視しました。さらにグループワークで、エンジニアに求められる能力や特性について学生同士で意見交換を行い、考えを整理しました。友人の意見を通じて自分とは違う視点からの気づきを得ることで、インターンシップの重要性や将来のキャリアについて、楽しみながら考えてもらうことができました。
このセミナーにより、自分の性格や特性を知ることで、自分にあった仕事や企業を探すため、インターンシップの対象企業を、視野を広げて複数選ぶことに積極的になった学生が増えたように思います。
今後の取組
さらに早い段階からジョブ・カードセミナーを実施し、自分らしいキャリアを築いてもらいたい
学生からは「好きなことや今までの出来事を思い返すことができていなかったので、今後の就活に向けて自分をもっと理解して、就職先を探していきたい」という意見が多くありました。また、今後は学生にとってより最適と思われる実施時期やプログラムを再考していきたいと考えています。その1つとして、企業研究セミナー実施前の3年生を対象にジョブ・カードセミナーを実施することも効果が高いのではないかと考え、検討しております。
これらの取組を経て自分の価値観を大切にし、強みを活かして、「やりたいこと」を考えた上で、様々な選択肢の中から就職先を選択し、社会で活躍してもらいたいです。