烏山信用金庫

烏山信用金庫

中堅層のマネジメントスキル向上による若手職員の職場定着
主体的なキャリアプランの作成により働きがいをもって仕事に取り組む

活用テーマ セルフ・キャリアドック

所在地 栃木県那須烏山市

業種 金融業

事業概要 信用金庫法に基づく金融業務

設立 1948年

資本金 6億7,700万円

従業員 174名


貴社の人材育成ビジョン、育成方針を教えてください

職員一人一人が金融のプロであることを自覚し、金融や経済、地域社会に精通するとともに、社会変化に対応していくための自己啓発に努める。

<経営理念>
・健全経営により適正な利益を確保し会員・地域社会への還元と職員の幸福増進を目指す
・全職員が互いに切磋琢磨し法令遵守し誠実・謙虚を行動指針とし社会的責任を遂行する
・よい伝統は守りながらいつも新しさを求め、時代の流れに遅れぬよう前向きに努力する
<人材育成方針>
職員一人一人が金融のプロであることを自覚し、金融や経済、地域社会に精通するとともに、社会の変化に対応していくために自己啓発に努める。
<求める人材像>    
「地域とともに明日をめざして協同組織金融機関として地域社会の発展に貢献する」ことに強く共感できる人材を求めています。

セルフ・キャリアドックの導入を検討した目的を教えてください

中堅社員のマネジメントスキルを向上させ、若手職員の定着率向上を図るため

若手職員の離職が続いており、その背景として、中堅層の職員とその部下の若手とのコミュニケーション不足が浮かんでいました。また女性職員が上位職を目指すことに後ろ向きである現状にも課題を感じていました。
そんな中、キャリア形成・学び直し支援センターから提案のあった、自己のキャリアを考え、主体的なキャリアプランを自ら作成する研修は、自身の価値観や強みについて改めて理解し、モチベーションの維持・向上が図れる内容だと感じ、この取組をうまく制度化することができれば、中堅職員のマネジメントスキルが向上し、若手職員の職場定着や、女性職員の意欲向上も図れるのではないかと考えました。漫然と仕事をするのではなく、自分自身のキャリアと向き合うことで、リーダーシップとフォロワーシップを発揮し、職員一人一人が自信と働きがいをもって仕事に取り組んでもらうことを目指しました。

今回の試行導入で、どのようなことに取り組みましたか

中堅層にキャリア研修とキャリアコンサルティングを実施し、自己理解を深めるとともにコミュニケーションスキルを習得する機会とする。

今回の試行導入では、中堅層(調査役・副長)33名を対象に、キャリア研修とキャリアコンサルティングを実施しました。
キャリア研修はまず、ジョブ・カードを活用して自己の強みと弱みの整理や価値観の確認など自己理解を深め、今後のキャリアプランを考える時間と位置づけました。
更にコミュニケーションのスキルを高めるために面談のロールプレイを実施し、面談の相手をより深く理解するために「傾聴」を意識することや、目標設定について部下も納得して互いに認識を共有するための具体的な対話の手法などを体験・実践しました。
その後、キャリア研修において作成したジョブ・カードを基に、キャリアコンサルティングを実施しました。

取り組む上で工夫した点を教えてください

職員が研修を受けやすい環境づくりに配慮するとともに、参加者の課題に寄り添った内容にすることで、より効果が得られるよう工夫した。

<取り組む上で工夫したこと>
"営業店の業務に支障をきたさないよう複数回に分けて研修を実施し、キャリアコンサルティングも店舗に近い場所で受けられるよう配慮しました。また、参加する職員が自分の考えや本音を打ち明けられるように、目的や実施内容、キャリアコンサルティングの守秘義務に関する事前説明は丁寧に行いました。
研修では、多くの参加者が課題に感じている部下とコミュニケーションを取る方法を学べるようにすることで参加意識の向上をはかりました。また、そのコミュニケーション手法を実際の業務の中で活かせるように、模擬的なロールプレイを重視した内容とすることでより実践的な研修となり、職員一人一人のスキルアップに繋がるように工夫しました。

今回の試行導入で、どのような効果がありましたか

今後の仕事に役立つコミュニケーションスキルや現在の不安等も聞いて貰え、職員の前向きな行動変化がありました。

<セルフ・キャリアドックの効果>
実施後のアンケートから、「具体的なコミュニケーションスキルが今後の仕事に役立ちそうだ」「不安や思いを明確にして、聴いてもらうことで前向きになれた」など、前向きな意見が多くあり職員のモチベーションアップの効果を感じました。また研修受講者が、後輩や部下に対して能動的な声がけする行動変化が見られ、職場全体のコミュニケーションの活性化に繋がっています。
また、主な相談内容の傾向から、人事評価制度が不明瞭であると感じている者が多いこと、会社からの役割期待に関する認識が不足していること、更に女性職員からキャリア支援がないという声がでていることも改めて知り、今後の制度策定の参考となりました。

今後取り組みたいことを教えてください

今回の試行導入実施をきっかけに、見えてきた課題に対して取組むために、継続的な支援体制の構築を進めていきたいと思います。

<セルフ・キャリアドックの企業内の定着に向けての取組>
今回の取り組みを参考に体系的・定期的にキャリア支援を行うしくみを整え、キャリアを考える機会の提供を行い、職員の意識・行動変化に繋げていきたいと思います。具体的には、キャリア研修と面談により自己理解を深めて、自信を持って業務に取り組んでもらえるよう意識変化を促していくよう取り組んでいきます。また、女性職員が上位職を目指していける環境づくりに早々に取り組みたいと考えています。そのために主体的なキャリアプランの作成支援やロールモデルとなるような職員の輩出を行っていき、女性が長く活躍できる体制をつくることで、ひいては組織全体の活性化を図っていきたいです。