株式会社ユナイテッドアローズ
一人の社内キャリアコンサルタントがスタートしたキャリア相談
手応えからより良い効果を求めて企業も従業員も成長するセルフ・キャリアドック導入へ
活用テーマセルフ・キャリアドック
所在地東京都渋谷区
業種小売業
事業概要紳士服・婦人服および雑貨等の企画販売等
設立1989年
資本金303,000万円
従業員3,575名
貴社の人材育成ビジョン、育成方針を教えてください
真心と美意識をこめてお客様の明日を創り、生活文化のスタンダードを創造し続ける
<経営理念>
真心と美意識をこめてお客様の明日を創り、生活文化のスタンダードを創造し続ける。
<人材育成方針>
理念、および「すべてはお客様のためにある」という社是のもと、お客様価値-従業員価値-取引先様価値-社会価値-株主様価値の5つの価値を創造する人材を育成する。
<求める人材像>
・経営理念に向い、エンゲージメント高く束ねた矢のように突き進む人材
・社是「すべてはお客様のためにある」のもとお客様の喜びのために邁進できる人材
・バランスよく5つの価値を創造する人材
セルフ・キャリアドックの導入を検討した目的を教えてください
従業員からのキャリア支援に関するニーズに応え、より良い人材育成施策を導入する
<試行導入の経緯>
社内で一人、キャリアコンサルタントの資格取得者がいたことから、他の業務を抱えながらも、2021年より試行的にキャリアコンサルティング相談を始めました。1年を過ぎた頃には相談件数が100件を超えており、「将来への不安を聞いてほしい」「社内で新しい仕事にチャレンジしたい」といった相談が多かったため、キャリア支援に関する取組を導入する必要性を感じました。
<試行導入の目的>
従業員がどのようなキャリア形成を望んでおり、それを支援するためにはどのような施策の導入が必要なのか検討することを目的としました。
今回の試行導入で、どのようなことに取り組みましたか
セルフ・キャリアドックによるリテンション効果を求め、入社3年目の従業員を対象に試行導入を実施
<具体的な取組(取組内容、対象者層など)>
最初に、対象者をどうするか時間をかけて検討しました。それまで相談を寄せる従業員の多くは30代でしたので、節目の30歳がいいのではと議論をしましたが、リテンション効果も考え、入社3年目の新卒社員に向けて実施することとしました。
対象者はコロナ禍下での入社であり、不安な状況が続く中、先輩や同期ともコミュニケーションが取りづらい状況であったため、そのケアもしたいと思っておりました。また、これまで入社3年目の退職が目立っていたことから、こうした支援により、退職を防止できればと考えました。
取り組む上で工夫した点を教えてください
互いの思いをシェアするプログラムを取り入れ、同期間の連帯感をアップ
<取り組む上で工夫したこと>
ガインダンス研修は、対象者がユナイテッドアローズで働く自分の将来を描くことができる内容にしてほしいと東京キャリア形成サポートセンターに希望しました。センターからは、ライフラインチャートの作成などこれまでのキャリアを可視化できるプログラムを提供いただきました。その後、各グループに分かれてお互いのキャリアプランなどを共有することで同期同士、交流する場となり、「同じ悩みを抱える同期がいることを知り安心した」と連帯感も強くなりました。
今回の試行導入で、どのような効果がありましたか
従業員の思いを経営者側に伝える機会となり、新たなキャリア支援施策導入のきっかけに
<セルフ・キャリアドックの効果>
【従業員】
「客観的な自分の強み、弱みを教えていただいた」「働き方に悩んでいる時期だったのでいろいろと相談ができてよかった」など、今後の自分のキャリアについて考えるきっかけにつながったと感じています。
【経営者側】
新たなキャリア形成支援の取組として、キャリア自律に繋がる情報提供や教育機会の提供を検討していたところ、従業員が人事評価に関する基準の明確化や、異なる業務へのチャレンジなどを求めていることが分かり、今後のキャリア形成支援策に関する良い参考となりました。
今後取り組みたいことを教えてください
3つの矢のごとく社内キャリア支援を実施!全社員へのセルフ・キャリアドックでは研修を内製化し従業員にとってより身近なものへ!
<セルフ・キャリアドックの企業内の定着に向けての取組>
社内のキャリア形成支援策として「セルフ・キャリアドックの全社員への実施」、「タレントマネジメントシステムへの個人の意思・志向を含めたデータ蓄積」、「キャリア自律のための資金援助」の3つを考え、セルフ・キャリアドックは、25歳、30歳、40歳、50歳へ実施していきます。
<今後の課題と展望>
40歳までの研修はより身近に感じてもらうよう社内で内製化する予定です。今回の取組を通じてキャリアコンサルタント資格を取りたいという声もあがり、3つの取組がうまく共鳴しあいながら活性化すると感じています。