社会福祉法人花園福祉会
子どもの「主体性」を育む大人として、自らの「主体性」を育む~主体的なキャリア形成の推進
活用テーマセルフ・キャリアドック
所在地埼玉県深谷市小前田
業種医療・福祉
事業概要就学前乳幼児の教育・保育、放課後児童健全育成事業
設立1972年3月
従業員76名
貴社の人材育成ビジョン、育成方針を教えてください
法人の運営や自らの職務にコミットできる人材を育てる
主体的に生きることを楽しめる人材を育てる
<経営理念>
「子どもと保護者と保育者が育ち合う」
<人材育成方針>
法人や各施設の運営を、すべての職員が我が事としてとらえ、自ら考え、意見を出し合い、協同しながら当法人の目指す教育・保育を実践できる集団を目指しています。この方針にのっとり、個人の主体的なキャリア形成を促進するため、セルフ・キャリアドックの試行導入を決めました。
<求める人材像>
・自分の人生を主体的に生きることを楽しめる人
・子どもと保護者と他の保育者の人権を理解し尊重できる人
・子どもの声を聴き、温かい気持ちで受け止めることができる人
・自分のことも大切にし、相手のことも思いやれる人
・様々なことに興味関心を寄せ、チャレンジすることを楽しめる人
セルフ・キャリアドックの導入を検討した目的を教えてください
集団保育から自由保育へ運営方針を転換する中で、職員の意識改革に取り組みたい
<試行導入の経緯>
当法人では、社会を担う子どもたちの「主体性」をより一層育むため、これまでの集団保育から自由保育へと運営方針を変えたところです。しかしながら、職員の中には運営方針の転換に戸惑う者もおり、どうしたら新しい方針への理解を深めてもらい、業務へコミットしてもらえるかを検討する中、「セルフ・キャリアドック」を知り、キャリア形成サポートセンターに依頼の上、試行導入することになりました。
<試行導入の目的>
職員全員に「自由保育」という新しい方針への理解を深めてもらい、この方針に関連したキャリア目標を設定してもらうことを目的としました。
今回の試行導入で、どのようなことに取り組みましたか
非常勤職員を含めた全職員を対象にキャリアガイダンス、セミナー、キャリアコンサルティング面談を実施
<具体的な取組(取組内容、対象者層など)>
キャリア形成サポートセンターから講師を招き、令和4年12月にセルフ・キャリアドックの説明やジョブ・カードの記入の仕方などのガイダンス・セミナーを受けました。平日で保育をしながらという状況でしたので、昼の部(13時~15時)と夕方の部(17時~19時)の二回行い、職員間で業務を調整しながら、全員が参加できるようにしました。その日にどうしても受講できない職員には、内容をビデオに録り、後日見てもらいました。翌週から一人1時間のキャリアコンサルティング面談を対面とオンラインで実施しました。今回の試行導入では、管理職を含めた常勤のみならず、非常勤の職員も含む職員全員を対象に実施しました。
取り組む上で工夫した点を教えてください
安心してキャリアコンサルティング面談を受けられる環境づくり
必要書類は各自直接送付で、個人情報の保護にも配慮
<取り組む上で工夫したこと>
ジョブ・カードの作成やキャリアコンサルティング面談を受けること自体、初めての職員ばかりでしたので、まずはガイダンス・セミナーを受け、ジョブ・カードの意味やその記入方法、キャリアコンサルティング面談を受ける意義などを理解してもらったうえで、面談を受けてもらいました。対面、オンラインともに施設内に別室を設け、外部に話している声や内容が漏れないように配慮しました。ジョブ・カードについても、オンラインで面談を受ける時はキャリア形成サポートセンターに各自で直接送信してもらうようにし、終了後のアンケートも各自で同センターに回答してもらうなどして、個人情報の保護にも配慮しました。
今回の試行導入で、どのような効果がありましたか
職員の運営方針への理解を深めるとともに、職場環境の問題点を発見するきっかけとなった
<セルフ・キャリアドックの効果>
職員にとっては、「園の運営方針に対する理解が深まった」「自分の可能性や視野がより広がり問題解決の糸口が見えた」等、当園の方針転換を踏まえ、自分のキャリアとじっくり向き合う時間となったようです。また今回の試行導入により、キャリア形成サポートセンターに職員全員のキャリアコンサルティング面談の結果を分析していただいた結果、職員が仕事と家庭の両立に不安を抱いていることが示されるとともに、解決のための方策についてもご提案いただけたので、職場環境等の改善に取り組むきっかけとなりました。
今後取り組みたいことを教えてください
セルフ・キャリアドックを本格導入し、職場環境改善に着手
「子ども主体保育」「自由保育」の更なる浸透をめざす
<セルフ・キャリアドックの企業内の定着に向けての取組>
施設長の一人が国家資格キャリアコンサルタントを取得しましたので、キャリア形成サポートセンターのアドバイスのもと、セルフ・キャリアドックを本格導入し、職場環境改善に向けた仕組みづくりに着手します。
<今後の課題と展望>
今後の課題としては、キャリアコンサルティングにより明らかになった職場環境の問題点の改善に取り組むとともに、当園の運営方針を理解し職務にコミットする人材を育成していくことだと考えます。これにより、当園の理念である「子ども主体保育」「自由保育」の更なる実現を目指します。