特定非営利活動法人ちとせの介護医療連携の会
一人一人異なる強みや専門性を共有化、少数精鋭チームが最大限に力を発揮できる環境を実現
毎朝15分のミーティングを導入し個々の課題を共有、主体的な解決へ!
活用テーマセルフ・キャリアドック
所在地北海道千歳市
業種社会福祉事業
事業概要保健、医療又は福祉の増進を図る事業
設立2017年1月
従業員6名(2022年12月1日現在)
貴社の人材育成ビジョン、育成方針を教えてください
主体的に課題を発見・解決でき、関係者と信頼関係を構築することができる人材の育成
<経営理念>
千歳市民が安心して生活できるよう、市内の医療・福祉等の有機的連携を目指し、各関係機関との連携を図り地域包括ケアシステムの実現を目指します。
<人材育成方針>
従業員の貴重な職業経験を尊重しつつ、その持ち味を最大限に活かし、従業員一人一人のライフキャリアの充実に重点を置く。
<求める人材像>
地域包括ケアシステムの活用・推進を図るため、自ら課題を発見・解決し、地域住民の方々へ、そのメリットを届けることを最優先に考えることができる人材。
セルフ・キャリアドックの導入を検討した目的を教えてください
各従業員がキャリア目標達成に必要なスキル等について考え、能力開発に対するモチベーションを高めることで組織の活性化を図る
<試行導入の経緯>
従業員の数が少ないこともあり、従業員間の知識やスキルの差が目についてしまい、人によっては自己評価が低くなっている状態がありました。こうした従業員のモチベーション向上を課題と捉えていたところ、セルフ・キャリアドック試行導入支援を知り、導入を決めました。
<試行導入の目的>
従業員の一人一人がキャリアコンサルティングを通して自身のキャリアを振り返り、今後のキャリア目標実現のために必要なスキル等について考察し、モチベーションを高めるとともに、それぞれの職業経験を活かし、お互いに支え合うことで組織が活性化することを期待しました。
今回の試行導入で、どのようなことに取り組みましたか
すべての従業員にジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを実施
<具体的な取組(取組内容、対象者層など)>
少数精鋭の組織なので、全員を対象としてキャリアコンサルティングを実施しました。従業員の多くは、福祉業界での経験が長いことは共通していましたが、その中で高齢者領域、障がい者領域などそれぞれの強みとなる専門性が異なっていました。
そのため、ジョブ・カードを使って自身の経験の棚卸しを行い、従業員それぞれが得意な領域を明確にした上で、知識や技術をミーティングで共有することができるように取り組みました。同時に、現状の課題についても明確化することで、一人一人の能力開発の必要性を再認識するとともに、個人の中長期的なキャリアプランを設計することにもつながると考えました。
取り組む上で工夫した点を教えてください
従業員が自身の課題に向き合えるよう短時間ミーティングを導入し、業務の振り返りを行うことで行動力の向上に繋げる
<取り組む上で工夫したこと>
取組を始める前は、従業員が自身の課題を認識していたものの、なかなか具体的に行動に移すことができない状況がありました。キャリアコンサルティングを実施した後、毎朝15分程度のミーティングを導入し、前日の業務内容の振り返りとその日の業務予定を確認する取組を始めました。前日の業務でうまくいったこと、そうでなかったことを振り返り、それをもとに次の日の業務に取り組むことで従業員自身が業務におけるPDCAサイクルを短いスパンで頻繁に回すことができるようになり、主体的に課題に向き合うようになりました。
今回の試行導入で、どのような効果がありましたか
自身のキャリアを振り返り、課題を明確化したことで従業員が主体的に能力開発の機会をもつという意識が向上した
<セルフ・キャリアドックの効果>
【従業員】従業員からは「自身が考えていた課題を客観的に見ることができるようになり、今後取り組むべきことが明確になった」という意見があり、課題に対する具体的な行動指針を整理したことが、前向きな能力開発の姿勢につながりました。
【経営者】法人として個人のキャリアプランを考慮しつつ、今後の事業展開を進めて行くことをアナウンスしたことで、従業員の日々の業務に向かう姿勢が向上しただけでなく、新たな資格取得のために主体的に資料請求したり、研修を受講したり、資格試験に挑戦するようになりました。今後に期待しています。
今後取り組みたいことを教えてください
法人の経営目標と個人のキャリアビジョンの両方を実現するため、セルフ・キャリアドックを導入し、経営に活かしていく
<セルフ・キャリアドックの企業内の定着に向けての取組>
医療・福祉業界は社会状況の変化や法制度の改正等によって、事業実施形態が変化しやすい特徴があり、法人の中長期的な経営目標を定期的に見直す必要性があります。従業員への定期的なキャリアコンサルティングを通じて、中長期的なキャリアビジョンと経営目標を関連付けることで、働きがいのある職場づくりに活かしていきます。
<今後の課題と展望>
定型的な業務に関しては問題ありませんが、突発的に対応が必要な業務等の場合、従業員個々のスキルの差が大きくでる場合があります。今回の結果を活かし、従業員自ら課題を発見・解決する力をさらに伸ばし、対応力を高めていくように努めます。