有限会社 奥州秋保温泉 蘭亭

有限会社 奥州秋保温泉 蘭亭

経験者の声がけが取組の効果を高めたセルフ・キャリアドック
コロナ禍の影響を乗り越え「働きやすさ」と「働きがい」の両輪から意欲アップ、リテンション強化へ!

活用テーマ セルフ・キャリアドック

所在地 宮城県仙台市

業種 宿泊業、飲食サービス業

事業概要 ホテル・旅館業

設立 1964年2月

資本金 3,000万円

従業員 130名


貴社の人材育成ビジョン、育成方針を教えてください

組織の求める方向性に対し主体的に考え仕事に取り組み、自ら人生を切り開いていける人材を育成

<人材育成ビジョン>
「一期一会を大切に、お客様との出会い、職場の助け合いによって、おもてなしの心を育む」
蘭の花は世界で最大の種類を持つ花であります。大きくは洋らん・東洋らん・和らんがございます。花は人を和ませ癒し決して見返りを求めません。蘭亭はお客様にとって一花の蘭になりたいと願っております。

<求める人材像>
お客様に喜んでいただけることを、自分の喜びと感じられる人を求めています。

セルフ・キャリアドックの導入を検討した目的を教えてください

事業拡大の局面にある今、従業員一人ひとりの意欲を高め「働きがい」につながる支援を行い、離職を防止する!

<試行導入の経緯>
コロナ禍の影響を乗り越え、新規事業(グランピング)参入に挑戦し、お客様も戻りましたが、現場は人員削減したままの体制が続き、負担がかかっている状況でした。そこをどうにかできないかとキャリア形成サポートセンターへ相談したところ、セルフ・キャリアドックを通じて、従業員の働き方などを見直すことで、モチベーション向上や定着につながると伺い、試行導入に至りました。

<試行導入の目的>
特に若い従業員は忙しさに追われ、早期離職してしまうケースが多く、定着に課題を抱えていました。セルフ・キャリアドックによって、働き方を見直すとともに、仕事に対する「働きがい」を見つけてもらうことを期待し、導入することとしました。

今回の試行導入で、どのようなことに取り組みましたか

ジョブ・カードを活用した集合キャリア研修と個別のキャリア面談で、自分や自分を取り巻く環境と向き合い、これからのキャリアを考える

<具体的な取組(取組内容、対象者層など)>
定着強化を狙いとし、若手従業員10名を対象に、キャリア研修とキャリアコンサルティング面談を組み合わせて実施しました。キャリア研修の中では、経験の振り返りと併せ「周囲からの期待を考える」ワークを行いました。社内だけではなく業界全体や世の中から求められていること等を幅広く考えてみることによって、役割意識が深まり、自身の働く意義にも気づけたように思います。また働き方を見直すために、どういった業務が負担となっているのか、改善策はないかという点についても議論をしてもらいました。その後、研修での学びや気づきが薄れないうちにキャリア面談を設定し、キャリアプラン策定への支援につなげました。

取り組む上で工夫した点を教えてください

先輩からの後押しが決め手!責任感ある若手層が安心して研修に参加できる環境づくりを工夫

<取り組む上で工夫したこと>
取組前には対象者から、限られた人数の中、自分たちが研修で一斉に持ち場を離れることで業務上、支障が出るのではないかといった懸念が聞かれました。その懸念を払拭したのは、昨年にキャリア面談を体験した先輩からの「体験したほうが良いよ!仕事はカバーするから遠慮はいらないよ」という明るい声がけでした。研修は、慌ただしい日常業務から気持ちを切り離して受けられる工夫をキャリア形成サポートセンターに依頼し、ゆったりした雰囲気でワークなどが行なわれました。環境づくりに経験者の手助けを得た結果、宿泊業にとって最も大切なチームワークがより強くなったという副産物も得ることができたと感じます。

今回の試行導入で、どのような効果がありましたか

自分と向き合う機会を持つことで、今後のキャリア形成における気づきがうまれ、仕事への意欲が高まり行動変容につながった!

<セルフ・キャリアドックの効果>
面談後のアンケートでは「気持ちを聞いてくれてうれしかった」「肩の荷が下りた」 「取り組みたいことが明確になった」という声が多くあり、頑張りを承認され前向きな思いにつながったのではないかと感じます。周囲の社員からも「積極的に相談に来るようになった」「自ら課題解決に取り組んでくれるようになった」とうれしい報告もありました。実施結果報告会では、対象者の傾向をフィードバックいただいたことにより、もっと良いサービスを提供したいのに業務量が多くできていないという従業員側の思いが顕在化しました。働きやすい職場となるよう、人員配置や業務負荷軽減等、より一層職場環境の整備に取組まなければならないと再認識しました。

今後取り組みたいことを教えてください

従業員のキャリアを継続的に支援していくために制度化!働きやすく働きがいのある魅力ある職場に!

<セルフ・キャリアドックの企業内の定着に向けての取組>
来年度制度を本格導入し、社外・社内、どちらのリソースも活用した体制を整備していきたいと思います。具体的には、社外のキャリアコンサルタントによる面談を定期的に実施すること、加えて研修で先輩社員に登壇してもらうことを検討しています。スランプからの脱却や家庭との両立等、身近な先輩の経験を聞くことで親近感が生まれ、相談し助け合える風土も醸成されていくのではないかと考えています。

<今後の課題と展望>
宿泊業は職場環境が厳しい現実がありますが、これを改善することで従業員満足度を上げ、従業員が「一花の蘭」になり輝くような支援をしていきたいと思います。