特定医療法人自由会
役割の変化や、入社などの転機に対する適応を支えるために、セルフ・キャリアドックを導入!
活用テーマセルフ・キャリアドック
所在地岡山県岡山市南区
業種医療・福祉
事業概要特定医療法人
設立1981年5月
従業員182人
貴社の人材育成ビジョン、育成方針は何ですか?
・患者様を思い、地域医療に使命感と誇りを持てる人材を育成
・人の和を大切にしたチーム医療ができる人材を育成
<経営理念>
すべての患者様が身体的、社会的状況に応じた最適な医療が受けられる病院を
目指します。
<人材育成方針・求める人材像>
・入院から在宅までのシームレスな医療、看護、リハビリテーション、予防運動等の
サービスを提供できるよう、技能・知識の向上を追求します。
・患者様と共有できる時間を大切にし、地域医療に携わることを誇りに思える
人材を育成します。
・チーム医療の一員として、人の和を大切にできる人材を育成します。
セルフ・キャリアドックを導入した目的は何ですか?
・日ごろの課題や悩みを安心して相談できる場を提供したい
・役割の変化や入社などの転機に対応できるよう組織として支援する
<試行導入の経緯>
これまで、看護師は実務経験のあるキャリア採用を中心に行っていましたが、今後は新人を採用し、育成していくことも大事にしたいと感じていました。また、昨年37年間勤務した看護部長が定年退職したこともあり、これから新人育成を担う新体制のリーダーたちを、会社として支えていく方法を考えていました。
広島・岡山キャリア形成・リスキリング支援センターから、セルフ・キャリアドックの試行導入の提案を受け、課題解決の一助となればと考え、実施を決めました。
<試行導入の目的>
新たにリーダーになった職員にも新人の職員にも、日ごろ感じている課題や悩みを安心して相談できる場を提供することが第一の目的でした。また、アウトプットの場を作ることで、入職後のギャップや役割の変化などの転機を受けとめ対応できるよう、組織としても支えたいと考え、導入しました。
セルフ・キャリアドックの具体的な支援は何ですか?
・ガイダンスセミナーの実施
・個別のキャリアコンサルティングを実施
<育成上の課題>
新入職員は、医療・リハビリについてこれまで学校で学んだことだけでなく、実践的な知識や技能を習得し、向上していくことが大切になってきます。そのための育成体制を機能していくことが課題でした。その中で、育成する側と受ける側の世代間を超えたコミュニケーションが課題となっていました。
<具体的な取組(取組内容、対象者層など)>
まず、セルフ・キャリアドック導入ガイダンスセミナーを開催しました。その後、ジョブ・カードを作成の上、対面でキャリアコンサルティングを実施しました。
対象者は新入職員からリーダー世代まで看護師、理学療法士、作業療法士の計30名としました。
取組上の工夫したことは何ですか?
・ガイダンスセミナーは、新型コロナや夜勤を考慮し録画で実施
・キャリアコンサルティングの日程調整は、上長への趣旨説明を重視
<取り組む上で工夫したこと>
広島・岡山キャリア形成・リスキリング支援センターより講師を派遣してもらい、導入ガイダンスセミナーを実施しました。当院の職員は夜勤を含む交代勤務であることと、医療従事者として新型コロナ対策のために、集合型の研修は難しいため、セミナーを録画し、勤務の間でも視聴できるようにしました。
<取り組む上で苦労したこと>
キャリアコンサルティング対象となった30名を、交代勤務の中でスケジュール調整することは苦労しましたが、各部署の上長へセルフ・キャリアドック試行導入の趣旨を説明し理解を得た上で、スケジューリングにも協力してもらいました。
セルフ・キャリアドックの効果は何ですか?
・変化に伴う不安やライフキャリアについての相談の場になった
・職員のキャリア形成の後押しや人材育成施策のヒントになった
医療職であると同時に、対人支援職である当院の職員にとって、親身になって話を聞いてもらい、支援を受ける側を経験することは、新鮮で良い機会になったと思います。 役割変化や入社後の不安など親身に話を聞いてもらうことができ、業務のことだけでなくライフも含めたキャリアについて相談できる良い機会になったようです。仕事上の目標や課題、やりがいについて言語化する中で、自分の考えを整理したり新たな発見ができ、モチベーションアップにつながった様子が伺えました。実施後のアンケートでも「たいへん有益」「有益」「まあまあ有益」合わせて計100%でした。広島・岡山キャリア形成・リスキリング支援センターの導入コンサルタントより全体の面談傾向とそこから見える組織課題のフィードバックをもらい、人材育成施策のヒントになりました。
今後取り組む事項は何ですか?
・定期的なキャリアコンサルティングによりスキルアップを伴走
・キャリアアップを組織で支援し、チーム医療を強化
<セルフ・キャリアドックの企業内の定着に向けての取組>
セルフ・キャリアドックを今後どのように導入していくかは検討中ですが、一人ひとりのキャリア・プランに向き合えるような場を、定期的に作りたいと考えています。また、ジョブ・カードはキャリアの棚卸しやキャリア・プランを描くツールとして有効だと思いましたので、今後も活用したいと考えています。
<今後の課題と展望>
職員が医療専門職として知識や技能を向上し、充実感を得られるようスキルアップを支援すると同時に、その過程をキャリアコンサルティングで伴走できるようにしていきたいと思います。また、キャリアアップを組織全体でも支えていく仕組みをつくることで、より強いチームを作り、チーム医療の良さをより高めていきたいと考えています。