株式会社岩手日報社

株式会社岩手日報社

社員のキャリア支援を通し、個人と組織が互いに成長・発展することでイノベーションをもたらす!

活用テーマ セルフ・キャリアドック

所在地 岩手県盛岡市

業種 情報通信業

事業概要 日刊新聞の印刷、発行、販売等

設立 1938年6月

資本金 20,000万円

従業員 312人(2021年8月1日現在)


貴社の人材育成ビジョン、育成方針を教えてください

岩手に根ざし地域と共に歩む地方紙の新聞人としての志と、地域貢献への使命感を育成する

<経営理念>
郷土発展を願い「独立」「責任」「奉仕」を基本理念としています。
岩手に根ざし、地域とともに歩む新聞社です。
経営ポリシー:この地で生きる 心をつなぐ 岩手日報

<求める人材像>
【十人十色 個性豊かな人間集団】
新聞人には何より「人間力」と「好奇心」が求められます。私たちは、複雑な社会変化に対応できる「たくましさ」「やわらかい心」のある人材を求めています。

セルフ・キャリアドックの導入を検討した目的を教えてください

社員の主体的な能力開発を尊重・支援し、働きがいやモチベーションの維持向上を図る、働きやすい職場環境づくり

<試行導入の経緯>
社員の成長を支援するため1on1面談を導入することとなり、効果的な導入方法について、岩手・秋田キャリア形成・リスキリング支援センターへ相談したところ、ジョブ・カードを活用した管理職への面談研修の他に、社員への継続したキャリア支援への取り組みについて提案をいただきました。研修やOJT等、育成へのフォローアップが不足しているのではないかと課題を感じていたため、人材育成のひとつの手段でもある「セルフ・キャリアドック」について大変興味を持ちました。

<試行導入の目的>
1on1面談の導入だけではなく、社員の主体的な能力開発を支援し、働きがいやモチベーションの維持向上を図っていく必要があると考え、試行導入を決めました。

今回の試行導入で、どのようなことに取り組みましたか

ジョブ・カードを活用したキャリア研修、キャリアコンサルティング面談を実施

<具体的な取組(取組内容、対象者層など)>
今回の試行導入では、新入社員7名と中途入社社員3名、合計10名を対象にキャリア研修とキャリアコンサルティング面談を実施しました。キャリア研修の前半では、講師より取り組む目的やキャリアを考える意義を説明いただき、後半では個人ワークを交えながら、これまでの仕事経験で活かせた強みなど、自分自身を振り返り自分を見つめる時間を持ちました。グループワークでは互いの経験や考えなどを共有し、相手に興味関心を持ちながらコミュニケーションを取ることで、仲間や他部署の仕事も理解できたのではないかと感じます。研修で振り返った内容をもとに各自ジョブ・カードの作成に取り組み、その後キャリアコンサルティング面談に臨みました。

取り組む上で工夫した点を教えてください

社員への説明をしっかりと行い、取り組みの目的を理解してもらうことで、安心安全な環境のもとでキャリアコンサルティング面談を実施

<取り組む上で工夫したこと>
安心してキャリアコンサルティング面談に臨んでもらうためには、取り組みの目的を一人一人にしっかりと理解・納得してもらう必要があると考えました。そこで、キャリア研修の際に、みなさんが働きやすい環境を整えていきたい、キャリアを支援していきたいという会社側の思いを伝えるとともに、会社としての取り組みであるが、キャリアコンサルティング面談には守秘義務があることを伝え、理解を促しました。各自記入したジョブ・カードは会社を通さずにキャリアコンサルタントへ直接渡すこと、そしてキャリア研修の講師にキャリアコンサルティング面談を担当いただいたことで、緊張することなく本音で安心して話すことができたようでした。

今回の試行導入で、どのような効果がありましたか

将来について考えるきっかけとなり、日々の仕事に対する向き合い方に変化が表れた

<セルフ・キャリアドックの効果>
実施後のアンケートでは、面談を受けた社員から「普段話せないことや言葉にしにくいことを話せて整理できた」「自分の考えに気づくことができた」という声が多くありました。自分の将来について考えるきっかけとなり、日々の仕事に対する向き合い方も変わったように感じます。面談は特別なものというイメージがありましたが、1on1面談の導入に加え、キャリアコンサルティング面談の機会を設けたことで面談に対してのハードルが下がり、管理職も個々の社員に寄り添う心が芽生えてきたように思います。実施結果報告会では、全体の傾向や組織のキャリア形成支援課題に対し客観的に対応策等を提案いただいたことで、今後取り組む事のヒントも見えてきました。

今後取り組みたいことを教えてください

1on1面談を制度化させ部下支援を行うと同時に、社員個人も主体的にキャリア形成に取り組めるキャリアコンサルティング等の機会を検討

<セルフ・キャリアドックの企業内の定着に向けての取組>
社員個人の生きがい・働きがいを支援し、社員と組織が成長していくためにも、若い世代だけではなく全社員に対してキャリア研修や面談等、自分に向き合える機会を定期的に設けたいと思います。1on1面談においても、今回のように本音で話せる関係性を築けるよう、管理職のマネジメント力向上への取り組みを進めたいと思います。
<今後の課題と展望>
上層部や管理職層の理解を促し会社全体で方向性を合わせ、慣習を常に見直しPDCAサイクルを循環させていく必要があると思います。経済・社会環境の変化に伴い、組織も革新・成長を続け、人材育成や制度運用に反映させていきたいと思います。