日工株式会社

多様な人材のキャリア形成に寄り添いながら、全社員が成長と可能性を実感できる機会を創出

日工株式会社

活用テーマセルフ・キャリアドック

所在地兵庫県明石市大久保町江井島1013番地の1

業種建設機械の製造・販売

設立大正8年8月

従業員832名

試行導入の経緯

多様な人材が活躍する組織を目指し、社員のキャリア自律を進めたい

 当社は創業から100年以上の歴史を持ち、現在はアスファルトプラントやコンクリートプラントなどを手がける建設機械メーカーとして事業を展開しています。近年は若手社員の採用を増やすとともに、外国人社員や障がいのある社員の雇用を積極的に進め、多様な人材が活躍できる組織を目指しています。

 人的資本経営の観点から人事制度の見直しを進める中で、課題の一つとして挙がったのが、社員のキャリア自律です。当社では同じ領域で長期にわたり勤務する社員が多く、業務に対する主体性や、自身のキャリアを主体的・自律的に考えるという意識が薄い傾向を感じていました。

 そのような中、兵庫キャリア形成・リスキリング支援センターを知り相談したところ、従業員が自身のキャリアについて主体的に考えられるようになるにはキャリアコンサルティングの実施が効果的であるとの提案を受け、令和5年に全社員の約8割に当たる510名を対象として、キャリア形成セミナーとキャリアコンサルティングを実施しました。その結果、「これまでキャリアについて考えたことがなく、今回初めてそのような機会を持った。」という感想があったことから、当社の社員には自身のキャリアについて主体的に考える意識が十分に育っていない現状を把握するとともに、「これまでのキャリアを振り返ることで、自身の強みや価値観を認識することができた。」との感想もあり、自身のキャリアについて主体的に考えるようになるためにはキャリアコンサルティングが有効であることの確認もできました。

 今後、事業を拡大し、グローバル展開も見据える中で、社員が自ら進みたいキャリアを描き、主体的に業務に取り組むことが、組織としての成長や生産性の向上にもつながると考えました。そのため、中期経営計画にはジョブローテーションを積極的に行う方針を新たに盛り込むとともに、ジョブローテーションを機能させるためには従業員が自身のキャリアについて考えることが不可欠との考えに基づき、社員が自分のキャリアを振り返り、自己理解を深める方策として有効な今回の取組を制度化する必要があると判断しました。そこで、組織としての制度導入に向け、令和7年度はセルフ・キャリアドックの導入支援を受けることに決めました。

取組内容と効果

特性に応じた支援で、障がいの有無や国籍に関係なく、主体的にキャリアを描ける組織へ

 令和7年度は、セルフ・キャリアドックの導入として、新入社員および令和5年度の取組に参加していなかった社員を対象に、キャリア形成ガイダンスセミナーとキャリアコンサルティングを実施しました。

 また、今回の実施対象の中には、「全社員に自らの強みを発揮して活躍してもらいたい」という方針のもと、障がいの有無や国籍に関係なく希望者を募りました。

 障がいのある社員に対しては、各社員の特性に応じて取り組みやすい方法を選択するよう工夫しました。例えば、障害の特性上、文章にまとめることが難しい社員には、人事担当者と先輩社員が同席し、日頃の業務内容やこれまでの経験を一つずつ丁寧に振り返りながらジョブ・カードの作成を支援しました。その結果、自身の資格や経験、強みが可視化されたことで、社員に自信が芽生えた様子が見られました。また、取組を経て、障がいのある社員も、それぞれの特性に配慮し、強みを活かすことでより活躍の場を広げられることを実感しました。以前は障がいのある社員については、剪定・清掃など社内の環境整備の業務に限定して配置を行っていましたが、本取組の結果として強みを把握することができた人事担当者からの働きかけもあり、現在は事務職などにも配置を拡大しています。また、電動ノコギリ等の技能講習・資格取得についても、先輩社員と一緒に受講できるような仕組みを作りました。

 また、在留資格を持つ外国人社員については、日本人社員と同じ枠組みでセミナーとキャリアコンサルティングを受けてもらうこととしました。現在在籍している外国人社員の多くは日本語でのコミュニケーションに大きな支障がないことから、国籍による区別なく同じプログラムを実施しました。そのこと自体が、「国籍にかかわらず主体的にキャリアを考えてほしい。」というメッセージとして受け止められたと感じており、その中で多くの外国人社員は「様々な業務を経験し、自分の能力を伸ばしていきたい。」という意欲的な姿勢を持っていることを把握することができました。今後は、外国人社員により一層活躍してもらえるよう、人事担当者と方策を検討していきたいと思います。一方で、取組を通して、外国人社員の中には「学んできた標準語と異なる職場の方言や言い回し、文化の違いに戸惑いがある。」という悩みを抱える社員がいることもわかりました。今後は、外国人社員に対する日本語学習支援や、日本独自のビジネスにおける習慣・文化に関するオリエンテーションを実施する、また日本人社員向けにも、方言や地域文化、異文化に関する理解を深める機会を設けるなど、相互理解を深める取組を実施したいと考えています。

今後の取組

多様な人材のニーズに応じたキャリア形成支援を提供したい

 一連の取組を通じて、社員の状況や特性によって、キャリア形成支援に求められる内容が異なることを実感しました。今後は、セルフ・キャリアドックを、社員一人ひとりが自分のキャリアを定期的に振り返り、次のステップを考えるための社内の仕組みとして位置づけ、本人の状況や特性に応じた支援を継続的に提供していきたいと考えています。

 例えば、若手社員に対しては、自身の価値観や強みに関する理解を深めつつ、「今後どのようなキャリアを描いていきたいか」といった将来に向けた内容を中心としたセミナーを実施する予定です。中堅社員に対しては、業務経験が蓄積し、自分なりの仕事観も形成されているため、これまでの経験を整理し、そこから将来のキャリアを描いていく内容としたいと考えています。中高年層に対しては、これまで積み上げてきた経験や強みを整理したうえで、今後のライフプランや定年後の働き方を見据えられるような内容にする予定です。以上のように、社員の状況や特性に応じた支援を行うことで、社員のモチベーション向上や活躍促進につなげていきたいと考えています。

 また、人材の多様化に対応したキャリア形成支援も、引き続き充実させていく必要があります。当社では、今後の事業のグローバル展開を見据えて、日本語でのコミュニケーションに課題を抱える外国人人材の採用も視野に入れており、キャリア形成支援も多言語対応など支援方法の工夫が求められると考えています。今回得られた知見を活かし、障がいのある社員や外国人人材を含め、各自が自分に合った形でキャリアを考えられるような機会を継続的に提供していく方針です。

 こうした取組を積み重ね、セルフ・キャリアドックを定着させることで、社員一人ひとりが自分のキャリアを主体的に考え、多様な人材がそれぞれの強みを発揮できるような環境づくりを目指していきます。

活用事例

日産トレーデイング株式会社
日産トレーデイング株式会社

定期的にキャリアを考える機会を提供し、「働きがい」を持てる企業へ

株式会社 井上組
株式会社 井上組

階層別キャリアセミナーの実施で社員の成長意欲を促し、体系的な育成プランの策定へ

たんぽぽ薬局株式会社
たんぽぽ薬局株式会社

人材確保と定着促進を目指し、段階的にセルフ・キャリアドックを展開。キャリアを前向きに考え、安心して働き続けられる環境へ

コーセル株式会社
コーセル株式会社

定年後の働き方・生き方を考える機会として、セルフ・キャリアドックを活用

株式会社北海道ダイケン
株式会社北海道ダイケン

コミュニケーションの活性化を目的に始まったセルフ・キャリアドックが、組織全体を前向きに

社会福祉法人大洲育成園
社会福祉法人大洲育成園

セルフ・キャリアドックの導入で、職員の意識改革と組織風土に改善を促し、より働きがいのある職場へ

株式会社フレンド商会
株式会社フレンド商会

キャリア形成支援で店長層の学びと挑戦を後押し

ケイミュー株式会社 北九州工場
ケイミュー株式会社 北九州工場

キャリア形成支援を強化してエンゲージメントの向上、組織活性化へ

社会福祉法人桃郷
社会福祉法人桃郷

職員が仕事の価値と職場の魅力を再認識、好循環による職場環境の改善で若手職員が定着

三重テレビ放送株式会社
三重テレビ放送株式会社

個々の強みや価値観を探究し、地域に必要とされ続ける企業へ

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