株式会社テレビ和歌山
キャリアの振り返りと見直しを通じて、世代ごとの人事課題に向き合う
活用テーマジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティング
所在地和歌山県和歌山市栄谷151番地
業種情報通信業
設立昭和48年6月
従業員81名
導入の経緯
経験豊富な社員の大量定年を控え、次世代の育成が課題に
当社は和歌山県内唯一の民間テレビ放送局として、地域社会に貢献する情報発信に努めています。
当社では、経験豊富な40代、50代の社員が、報道・制作・技術部門で業務を支えています。一方、こうした専門的な知識やスキルを持つ社員の多くが今後5年~10年で定年を迎えるため、それらを次世代にどうやって継承していくのかが喫緊の課題となっていました。ただ、継承してほしいと思っていた若手社員は「どのようにキャリアを積んでいけばいいのかわからず先行きが不安」という理由から、採用後1~3年で離職するケースが見られていました。これまで若手社員が働きやすい環境の整備に向けて、子育てと仕事の両立支援、育休取得推進、残業削減などに取り組んできました。しかし、社員のキャリア形成支援については、定期的にキャリアを振り返る機会などを設けておらず、体系的な支援の仕組みが十分に整っているとは言えない状況でした。若手社員以外からも「このままでよいのか」「今後どのように成長すればよいのか」という不安の声が上がっていました。
こうした状況を受け、将来の目標を整理して相談できる場や仕組みを作り、社員が自身の強みや価値観を理解する機会を設けたいと考えていました。
そんな時に、キャリア形成・リスキリング支援センターから「ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティング」の紹介があったものの、どういった支援があり、どういう効果があるのかイメージが沸きませんでした。そこで、同様の取組をしたとある地方独立テレビ局の方に話を伺い、当社と同じような課題をもつ同業他社での取組事例を参考にしつつ、導入を決定しました。
取組内容と効果
若手育成への意識の変化が、若手活躍のきっかけに
令和7年8月と9月に社長から一般社員まで、業務の都合などで参加できない社員を除く社員63名を対象に、講義形式とグループワークを組み合わせた「ジョブ・カードを活用したキャリアデザインセミナー」を開催しました。ジョブ・カードの作成は、自分の経験や強みを整理・言語化し、今後のキャリアビジョンを考える機会となりました。
また、グループワークは、意見交換が活発になるように同じ部署・同世代でグループを編成しました。参加した制作部の社員は、普段はロケに出たり、編集作業をしているので同じ部署であっても業務以外のことを話す機会はあまりなかったそうで、「価値観やどんな気持ちで仕事に取り組んでいるのか、お互いを知ることができてよかった」「共通認識をもっていることがわかり、これからも前向きに協力・成長していけると思った」などと話していました。
セミナー後はオンラインによるキャリアコンサルティングを実施し、「キャリアを振り返り、これまでの経験に自信がもてるようになった」「自分の仕事に改めてやりがいを実感し、心身共に健康で働き続けたいと思った」「コミュニケーションについての気づきがあり、人との関わり方が変わった」などの感想が寄せられました。
取組後、上の世代の社員の意識が変化し、後継者育成に取り組む姿勢が見られるようになりました。経験豊富な社員が若手社員に積極的にアドバイスし、若手社員からもベテラン社員に質問や相談をする機会が増え、上下の世代の交流が活発化しています。上の世代が若手社員に技術や機材について指導する研修も、企画・実施するようになりました。
そういった専門的な知識やスキルの継承と、若手社員のモチベーションアップの結果として、20代の社員4名が中心となっている番組が、社内表彰を受賞しました。
表彰されたこの番組は、毎週2時間の生放送情報バラエティなのですが、表彰が始まって以来、20代の社員が表彰するのは初めてのため、社内でも驚きの声が上がったと同時に、確実によい変化が起きていると感じています。
今後の取組
主体的にキャリアを考え、成長していける環境づくりを推進
今後も、社員一人ひとりが主体的にキャリアを考え、成長していける環境づくりを進めていきたいと考えています。その一環として、新たに自己評価シートを用いた1 on 1の部長面談を導入しました。これは、セミナーやキャリアコンサルティングを受けた管理職層がキャリア形成の重要性を再認識したことをきっかけに始まったもので、今までにはなかった制度です。今後は、年1回の頻度での実施を予定しており、社員のライフプランを含めたキャリア設計、個人の業務量や日々の気づき、今後の希望などについて、自己評価シートを基に話し合います。個人の働き方やモチベーションを見直す人事制度としてさらに充実させ、組織全体の活性化を図りたいと考えています。
また、来年度も各自がキャリアを考える機会として、外部講師による全社員を対象としたセミナー実施を検討しています。加えて、自己理解の促進や意欲向上への効果が高かったジョブ・カードを活用した振り返りや将来の目標設定を定期的に行う予定です。総務経理部が中心となって「ジョブ・カード作成会」を開催するなど、多忙な社員も負担なく続けられるような工夫も取り入れていきます。
これらの取り組みを通じて、社員のキャリア形成を継続的に支援し、組織全体の活性化につなげていきたいと考えています。
