シンフォニアテクノロジー株式会社
社員一人ひとりの自律心を育み、組織風土の改革を目指して
活用テーマジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティング
所在地東京都港区芝大門1-1-30 芝タワー
業種製造業
設立昭和24年8月
従業員2,017名
導入の経緯
社員一人ひとりが自律的に成長しキャリアを描くために
半導体などの電子制御技術の開発、製造を手掛ける当社は、創業間もない頃から社員の能力開発を担う部門を設けるなど、人材育成に力を入れてきました。この能力開発部門において、新人研修をはじめとして、1年目から3年目まで行われる3ヵ年育成計画、そして管理職研修まで、キャリアに応じた能力向上研修を中心に実施してきましたが、「社員一人一人が自律的に成長し、キャリアを主体的に描くための教育プログラム」が十分とはいえませんでした。
また、長らく親会社の傘下にあり、上位方針やお客様のご要望に従い、誠実で丁寧なものづくりは得意ですが、自発的に考えて行動することや、新しいアイデアや取組を提案することなどは苦手な傾向がありました。そういった風土は、キャリア形成においても見られ、2年前に行った社員のエンゲージメント調査では「自分のキャリアをしっかり描くという」という項目が平均以下の結果でした。
時代が変わり、親会社との資本関係が解消された今、受け身の姿勢ではなく、社員一人ひとりが主体性をもち、自分自身で考えて行動する組織風土への変革は急務となりました。社員に自律心を持って主体的に行動してもらうために、まずは、自分の目指すキャリアイメージを持ってほしい。しかし、そういったキャリアの目標を考える機会を、自社のみで用意することは難しいと考えていたところ、キャリア形成・リスキリング推進事業を知り、社員がキャリアを自律的に考えるための第一歩となると思い、キャリア形成セミナーとキャリアコンサルティングの実施を決めました。
取組内容と効果
キャリアコンサルティングでの気づきが主体的に学ぶ姿勢へ
キャリア形成セミナーは、伊勢、豊橋、東京の3拠点の約200名を対象に行いました。
今回の支援においては全ての社員共通で「キャリアを自分で考え形成する」をテーマとして実施しましたが、管理職はこれに加えて、経営方針とリンクさせた自己分析をしてもらいたいという狙いがあったため、新入社員、中堅社員、副主査、管理職、新任管理職の5つの階層に分けて実施しました。社員に「会社から言われたから」という受け身の姿勢ではなく、能動的に参加し、学びを得てもらいたかったため、各セミナー冒頭で能力開発センター長から「自分自身が目標を持って主体的に行動できる何かを見つけてほしい」と趣旨説明を行いました。
セミナーではキャリアコンサルタントの方から「なぜこれからの時代では自律的にキャリアを考える必要があるのか」というところから説明をしてもらい、キャリアを考える軸を作るために、ジョブ・カードのライフラインチャートの記入などで自身の価値観や強みを明確にする個人ワークを実施しました。その後のキャリアコンサルティングは、新入社員にはもう少し勤務経験を積んでから受けさせたいと考え、新入社員以外の階層でオンラインも活用しながら行いました。
実施後のアンケートでは、どの階層においても「大変有益」「有益」との回答が90%以上でした。「今後伸ばしたいスキル・能力が明確になり、リスキリングの必要性を自分ごととして認識できた」「キャリアプランを考え、今すべきことがわかった」などの声が聞かれました。自分の目指すキャリアイメージを持ち、その実現のために自律的に行動するようになってほしい、という導入の目的に沿った成果が得られたと大きな手ごたえを感じています。
キャリアコンサルティングの実施後、まずは、近い将来、会社を担う存在として活躍が期待できる現場のリーダー層(=副主査層)」を対象に、自主的に学べる学習環境として、eラーニング教材を提供しました。そうしたところ、1ヶ月の間に全員が自主的に3つ以上の講座を受講していました。中には30講座を受講した者もおり、今回の取組により、自身の目標や学ぶべきものが明確になったことで、意欲的に学習に取り組む動きが生まれていることを実感しています。eラーニング教材については、今後他の層への展開も検討中です。
また、「自分にない視点を得られた」という声もあり、キャリアのプロであるキャリアコンサルタントから第三者視点でアドバイスをもらえたことで、自分では掘り起こせなかった価値観・強み・本音が可視化され、「キャリアの答えは自分の中にある」と気づきがあったのではないかと感じています。
今後の取組
自社でのキャリア形成支援の推進により、組織としてさらに成長を
今後はキャリアセミナーおよびキャリアコンサルティングの実施を自社でできるよう、社内のキャリアコンサルタント有資格者、また外部のキャリアコンサルタントの活用も検討しながら、複数年計画でキャリア自律の考え方を浸透させていきたいと考えています。
今回の実施をモデルケースに、毎年200名にキャリア教育を実施すれば、3年後には600名、5年後には1,000名が主体的に自分のキャリアと向き合えることとなり、そういった社員が増加することで、徐々に組織風土も変わってくると期待しています。
また、今回のキャリアセミナーは全階層で同じテーマで実施しましたが、今後は階層ごとにそれぞれの立場や課題に寄り添ったテーマで実施することも検討しています。特に、社員一人ひとりに行き届いたキャリア形成支援を行うためには、管理職が部下の支援をできるようになることは不可欠です。そこで、将来的には管理職による面談ができる体制を目指し、管理職に対する、1on1面談のスキル教育を盛り込みたいと考えています。
引き続きエンゲージメント調査などを活用し、社内の変化を数値で見ながら、より社員一人ひとりの自律心を育む教育アプローチを模索します。これまで培ってきた技術に、自由な発想やアイデアによる主体的な提案力が加わることで、チャレンジする組織としてさらに成長することを目指しています。
