株式会社加藤建設
ジョブ・カードの活用が、建設業で働く女性と若手社員のキャリア意識と働く意欲を高めるきっかけに
活用テーマジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティング
所在地秋田県男鹿市払戸字大樋16番地1
業種建設業
設立昭和32年4月
従業員54名
導入の経緯
社員のモチベーションを上げるため、将来像を描く機会を作りたい
建設業で働く女性はまだまだ少ないという現状がありますが、当社でも54名の社員のうち女性社員は6名です。特に建設現場で働く若手の2名は、ロールモデルとなるような先輩がいないため、「将来のキャリア形成についてイメージしにくいのではないか。今後も当社で働き続けてくれるだろうか。」と不安を抱いていました。
加えて、近年、入社2~3年の若手社員の離職が増えているという悩みもありました。退職の理由は様々ですが、仕事を通じてどのように成長したいのかが分からず、また将来の目標を考える機会もないため、仕事に対するモチベーションを保てないのではと感じていました。
こうした課題を受け、社員のキャリアの悩みを拾い上げたいとの思いから、社長自ら希望する社員に対して個別面談を実施していました。しかしながら、個人的な悩みごとや勤務条件に関する要望などの話題が中心になってしまい、本来の目的であるキャリアに関する相談や目標設定にまで話を深めることができていませんでした。
これから会社をより成長させていくためには、社員一人一人が自身の将来像を描き、そこに向けて日々目標を持って業務に臨んでほしい。しかしながら、日々の業務や社内面談だけではそうした機会を十分に与えることが難しいと考えていました。そんな中、キャリア形成・リスキリング推進事業のことを知りました。キャリアの専門家であるキャリアコンサルタントと話すことが、自身のキャリアの将来像を描き、その実現のための学びや業務へのモチベーションに繋がればと思い、キャリア形成セミナーとキャリアコンサルティングの実施を決めました。
取組内容と効果
自身の強みや目標を言語化することで気持ちが前向きに。資格取得へのチャレンジも
令和7年度に女性社員6名と、若手社員16名を対象に、それぞれキャリア形成セミナーとキャリアコンサルティングを実施しました。
女性社員には、「あなたらしく活躍するために」をテーマに働く女性のキャリアアップセミナーを実施しました。自分らしいキャリアを歩むためにはどうしたらよいか。そのための自己理解の大切さや、年齢やキャリアの節目において、キャリアの振り返りを行う必要性を学びました。そしてジョブ・カードを使って自身のライフイベントや過去のキャリアを振り返り、その時の感情や得られたもの、そこから気づいた自分の強みを言語化するといった、自己理解のワークを実施しました。
若手社員には、「信頼され、社会に貢献する人材になる」ことを目的に据え、モチベーションアップとキャリアをテーマとしたキャリア形成セミナーを実施しました。自分を磨き、前向きに励むエネルギーが出る働き方をするためには、仕事の理解と共に自分の強みを理解することが必要であり、自己理解の深さで目的意識に差が出ることを学びました。その上で、ジョブ・カードを活用して自身の経験を振り返り、困難をどのように乗り越えたか、またどういったときに自身の満足度が上がるのか、を考えて発表する自己理解のグループワークを行いました。
その後、セミナーに参加した女性社員・若手社員全員がキャリアコンサルティングを受けました。ジョブ・カードで整理した内容をもとに、自分の考えや将来の目標をさらに深めていきました。
女性社員からは、「ジョブ・カードを書くことでやるべきことが明確になり、今後についても広い視野を持って考えることができるようになった」「自分の思いを言語化し、キャリアコンサルタントに話すことで、多くの発見があった」といった感想が、若手社員からは、「ジョブ・カードを書くことで自分の性格や強みが分かった」「今回のキャリアコンサルティングでのアドバイスをこれからの仕事に活かしていければ、成長できると思う。このアドバイスを活かし、これから努力していきたい。」などの感想が上がっていました。
「社員のモチベーションを上げたい」という思いで始めた取組でしたが、このように多くの社員から今後に向けての前向きな感想が聞かれ、嬉しく思っています。また、今回の取組の後、複数名の社員が「土木施工管理技士」の資格にチャレンジし合格しました。ジョブ・カードを使って自分のキャリアを見直し、キャリアコンサルティングで自身の目標やそのためにやるべきことを言語化したことが、学びや資格取得への意欲向上につながったのではと思っています。
今後の取組
キャリア形成支援の継続と学びの環境の構築で、会社としての成長につなげたい
今回の取組について、参加した社員の9割以上が「キャリアコンサルティングをまた受けてみたい」と回答していました。「自分を見つめ直す機会になってよかった」という声が多く上がっており、業務に前向きに取り組むには、まずは自分の強みを知り、自身の考えや目標を言語化することの必要性を実感しています。今後、管理職や中堅社員についても、自身の価値観を再確認し、将来のキャリアを考えてもらうため、このような機会を設けられたらと考えています。
また今回のアンケート結果から、特に若手社員は考え方が柔軟で、今回の取組を糧に成長していきたいという意欲が強く見受けられたため、新入社員に対して今回のような取組を実施するのも一案と考えています。入社後早い段階で自分の強みを知り、キャリアに対する考え方をしっかり持ってもらうことが、離職率低下にも繋がるのではと思っています。
さらに、こうしたキャリア形成支援で得られた業務や学びへのモチベーションを支えるために、社内の学びの環境の整備も実施していきたいです。たとえば、資格を有する先輩社員が後輩社員に勉強の方法やアドバイスを伝授する機会の設置や、同じ資格を目指す社員同士の勉強会の開催などを想定しています。
社員一人一人が自己理解を進め、キャリアの目標を持つことで仕事に対するモチベーションが上がる。その積み重ねが、会社としての成長にも繋がっていくと期待しています。
