三和テクノ株式会社
全社員参加!社員一人ひとりが、自分について向き合う機会を設け、より主体性のあるキャリアを計画できるようになることを目指す

活用テーマセルフ・キャリアドック
所在地兵庫県 神戸市長田区苅藻通7丁目4番27号
業種製造業
事業概要自動車関連部品、情報通信機器部品を主体とした シール機能製品の開発、製造、販売
設立1965年4月1日
資本金9千万円
従業員239名(2024年1月1日現在)
試行導入の経緯
未来を担う三和テクノ人を育てるため、キャリアコンサルティングが職業能力の開発支援ツールとなることを期待
コロナ禍の影響もあり、近年特に上司と部下の間で社内コミュニケーションが不足し、社内で自分のキャリアについて相談したり話したりする機会がないことによって、将来に対して漠然とした不安を抱える社員が増えていました。また人材育成支援としては、人事評価制度の導入を検討中でしたが、従業員自身が主体的にキャリアプランややりがいについて考えるとともに、従業員のモチベーションを高めるために会社ができることは何かを模索していました。
昨年度、若手社員向けに兵庫キャリア形成・学び直し支援センター(当時)でキャリアコンサルティングを実施したところ、若手社員が面談の後、前向きに業務に取り組んでいる変化を感じました。その後、上司にあたる管理職社員にもキャリアコンサルティングを行ったところ、管理職からも「自分の考えや悩みが整理できて良かった」という声が上がりました。会社にとっても、社員のやりがいや仕事に対しての考えについて知る機会となったことから、社内でキャリアコンサルティングを実施する仕組みを作りたいと考えていましたが、キャリアコンサルタントの有資格者が不在のため、導入支援のサポートを外部にお願いしたいと考えてセルフ・キャリアドックの試行導入を決定し、今年度は中堅社員のキャリアプランの見直しや主体的な職業能力開発の支援になることを期待しました。
取組内容と効果
キャリア研修とキャリアコンサルティングを実施し、従業員一人ひとりのキャリアプランの見直し、主体的な職業能力開発を支援する
対象者は、昨年度キャリアコンサルティングを実施していない中堅社員 80 名(管理職5名、一般職 75 名)を選定しました。ガイダンスセミナーを対面とオンラインのハイブリッドで行い、会社からのメッセージとして「自分のキャリアプランややりがいについて考える機会にしてほしい」と伝えた上で、ジョブ・カードを活用したキャリアの棚卸しを通じて自己理解を深め、自分の今後のキャリアプランを考える機会を設けました。そしてガイダンスセミナー後にはキャリアコンサルティングを対象者に実施しました。
参加者からは「キャリアの振り返りができた」「自分の強み・弱みが明確になった」といった感想が多く、実施後のアンケートで「有益」との回答は98%に達しました。面談を通じて自身の成長や強みを認識し、日頃の行動に自信を持てるようになったようです。一方で、キャリアコンサルティングにおいて「現場のリーダーとして組織運営に悩んでいる」や「提案が上層部に届いていない」との声があったことが実施報告書から分かり、今後の組織の在り方や運営の見直し方についての貴重な材料を得られたことも成果といえると思います。
会社が従業員一人ひとりのキャリアを支援し、共に成長しようとする姿勢を示すことで、従業員の将来に対する漠然とした不安の解消に取り組む一歩となりました。
今後の取組
従業員の主体性を醸成する新たな人事制度の一環として社内でキャリアコンサルティングを実施できる体制を検討
現在、社員の主体性なキャリア形成の醸成を目指して、新たな人事制度の導入に向けて始動しております。社内のコミュニケーションの活性化が図れるように定期的な上司と部下との面談を実施することや、職能等級資格制度導入により等級定義を明確にし、目標設定・人事評価要素・人事育成に対する評価を見直すことを制度設計に盛り込みたいと思っています。その一環として、社内キャリアコンサルタントの育成も視野に入れながら、社内でキャリアコンサルティングを実施できるしくみを作っていきたいと考えています。自分が本当はどうしたいのかと自分の内側に耳を傾けることが重要だと感じていますので、その一役をキャリアコンサルティングが担っていけるような仕組みづくりを目指します。
人生がより豊かになるようなサポート体制を構築することで、会社全体が前向きになり、社員一人ひとりの活躍が、組織の活性化につながることを期待しています。