桐生大学・桐生大学短期大学部
ジョブ・カードを活用して社会との幅広いつながりを知る

活用テーマジョブ・カードを活用した就職指導
所在地群馬県みどり市笠懸町阿左美606-7
業種大学・短期大学・教育機関
事業概要大学、短期大学部、高等学校、中学校、幼稚園の経営・運営等
設立明治34(1901)年創立
学生数105名
導入の経緯
桐生大学短期大学部アート・デザイン学科の学生に、就職活動への第一歩を踏み出してもらうためのきっかけづくりとして導入
本校では、建学の精神「社会に出て役立つ人間の育成」を基盤に、社会の変化に対応し力強く生きていける人材の育成を目指して教育を行っております。現在、大学・短期大学合わせて5学科755名(令和6年10月現在)の学生が在籍しております。学科によって就職率に課題があり、特に短期大学部アート・デザイン学科では、創作意欲の高い学生に対して、働くイメージを描けるような講座等ができないか検討していたところ、群馬キャリア形成・リスキリング支援センターからジョブ・カードを活用した自己理解セミナーの提案を受けました。
芸術系の仕事は、クリエイティブ系のデザイン専門会社だけではなく、さまざまな業界の広報部門や一般職でも、コンピュータグラフィックなどの技能を活かした仕事があります。しかし、学生として学んでいる間は、学問や技能を身につけることに重点を置いている一方、身につけた知識や技能を実際の職場でどのように活かすことができるのかについて意識する学生は少なく、その点が、就職に向かって動き出すに当たっての課題であると感じていました。今回、キャリア形成・リスキリング推進事業概要とジョブ・カードを活用したセミナーの説明を受け、学生が本学で学んだスキルや知識を生かせる仕事をイメージできるようになり、就職活動を効果的に進められるのではないかと考え、導入を決定しました。
取組内容と効果
ジョブ・カード活用を手がかりに自己理解を深め、自分に合った仕事や働き方を知る機会として実施
アート・デザイン学科の学生が進路を考える際は、デザイン専門会社などの芸術分野の業界に関心が偏りがちですが、それ以外の業界でも、アートやデザインの視点を持つことで新しい価値を生み出している先輩が実際に多くいます。このことを踏まえ、群馬キャリア形成・リスキリング支援センターから、芸術分野に限らず、さまざまな職種や業界が存在すること(多様なキャリアパスがあることの理解)や、現代の労働市場においてはスキルの更新や新しいスキルの習得が重要であること(リスキリングの重要性)といった助言をいただくことで仕事の選択肢に関する視野を広げるとともに、ジョブ・カードを活用し自己理解を深めることで、自分に合った仕事や働き方を知る機会としてセミナーを実施しました。
セミナーでは、まずジョブ・カード活用ガイドを使い、自身の性格や価値観、興味・関心や得意なことなどを振り返る作業を行いました。その後、振り返りの結果を基に自分が関心を持ったことや学んだことを整理し、隣の人とペアになって会話をしながら、どんな仕事に向いているかをお互いに話し合いました。この過程を通じて、学生たちは、自分がどんなことに興味を持っているのかを理解し、ペアワークで他者からのフィードバックをヒントに自分だけでは気づけなかったさまざまな業種の企業で働くことの可能性ついて考える機会を得ることで今後のキャリアプランを描くことが出来ました。ジョブ・カードは、就職活動を始めるための視野を広げるのにとても役立つツールであると感じました。
今後の取組
学生が、社会とのつながりに気づき、就職を意識するきっかけに
アート・デザイン学科の学生は、絵画やイラスト、漫画、ファッション、インテリアなど、創作活動を楽しみ、これらを通じて自己表現することに対する関心が強い傾向にありますが、それを仕事に結びつけるということについては意識しないままになりがちです。しかし、セミナーを通じて学生同士が意見交換し、自己理解を深める中で、作品やスキルが社会で幅広く受け入れられ、継続的に評価される可能性があることに気づきました。これにより、学生たちは「創作活動」が仕事として成り立つことを実感し、働くことや仕事の意義について新たに意識するようになったと感じています。
実施後のアンケートでは、ジョブ・カードを活用することで「自分が何をしたいか改めて考える良いきっかけになった」、「これまで自分がなりたいと思っていた職業以外に興味を持てた」、「業界研究における視野を広げる要因になった」などの意見があり、また約9割の学生がジョブ・カードを更新し続けて活用していきたいとの反応をいただきました。
大学として、全学科の就職率100%を目指し、来年度以降も引き続きキャリア形成・リスキリング支援センターから講師を招き、ジョブ・カードセミナーを実施するなど継続してキャリアガイダンスを実施し、一人でも多くの学生が内定を得て卒業できるようにサポートしていきたいと思います。