東急株式会社

東急株式会社

ミドル層社員のキャリア自律を高め、より意欲的に働ける職場環境づくりを目指す!
10年後も自分らしい人生を歩むため、学びや成長ニーズに応えるキャリア支援施策の充実

活用テーマ セルフ・キャリアドック

所在地 東京都渋谷区

業種 不動産賃貸業、不動産販売業、その他事業

事業概要 長期視点での「まちづくり」とお客さまの生活に密着したさまざまな事業を展開

設立 1922年9月2日

資本金 1,217億24百万円(2023年3月31日現在)

従業員 1,482名(2023年3月31日現在)


貴社の人材育成ビジョン、育成方針を教えてください

・従業員の誰もが自社で働くことに価値と誇りを持つこと
・従業員の成長を会社へ還元していく意識改革を推進

<経営理念>
「美しい時代へ」というグループスローガンのもと、当社は2022年9月に創立100周年を迎えました。
サステナブル経営”の方針については不変としながら、経営の基本方針を『変革』~事業環境変化への対応による収益復元と進化~と定めています。
<人材育成方針>
「変革」を推進していく原動力として、従業員の誰もが当社で働くことに価値と誇りを感じ、成長の機会や自分らしい人生を歩めるよう、エンプロイーエクスペリエンス(従業員としての経験価値)を高めるような取り組みを行うとともに、従業員の成長を会社へ還元していく意識改革を推進しています。
<求める人材像>
従業員の行動規範である「東急バリュー」で示す「高い志を持ち、自ら考え、主体的にやり抜く」人材を育成しています。

セルフ・キャリアドックの導入を検討した目的を教えてください

・定期的にキャリアコンサルティングを受けられる仕組みづくり
・ミドル層のキャリア支援施策充実

<試行導入の経緯>
今年度を「キャリアの年」と位置づけ、キャリア形成支援の体系的な仕組みづくりを進めていました。人材戦略室でキャリア施策の軸となる方針(従業員一人ひとりが「高い志を持ち、自ら考え、主体的にやり抜く」人材になること、そしてイノベーションが常に行われるような社内風土を醸成すること)を「想いをカタチに」としてまとめ、従業員に発信してきました。階層別・公募型研修や資格取得・自己啓発支援制度など様々な施策を実施する一方で、個別支援を通じて社員のキャリア形成に係る意識の向上を図る必要があると感じており、キャリアコンサルティングが実施できる体制を構築したいと考えていました。特に他の世代よりも層が厚く、人・組織・仕事への影響力が大きい立場ではあるものの、若手社員と比べ研修を受ける機会が少なかったミドル層の社員に対するキャリア形成支援を拡充したいと考え、東京キャリア形成・学び直し支援センターに相談し、本センターのセルフ・キャリアドック導入支援を活用する事にしました。

今回の試行導入で、どのようなことに取り組みましたか

・ミドル層を対象に今後の更なるキャリアの目標を考える機会を設定

<具体的な取組(取組内容、対象者層など)>
・当社では全階層の社員を対象にキャリア支援施策の強化を図ってきましたが、今回の試行導入においては、比較的社員数が多いものの、若手社員と比べ研修を受ける機会が少ないミドル層※を対象に、今後会社の中核を担っていく上での更なるモチベーションの向上を目的として実施しました。
※当該年度に満41歳となる44名と満50歳となる43名が対象。
・支援センターの講師によるセミナーとキャリアコンサルティングを組み合わせ、自身の価値観等を再認識し今後の人生をより豊かにするため、そして、人生100年時代の中間地点にさしかかる年齢において、今後の働き方を見据えたキャリアプランを考える機会としました。

取り組む上で工夫した点を教えてください

・キャリア支援施策の方針や利用できる制度を周知し、活用を促進
・キャリアコンサルティング後、上司と1on1面談を実施

<取り組む上で工夫したこと>
・今回の取組を実施するにあたり、会社のキャリア支援施策の方針・目的と、その支援策の一つがキャリアコンサルティングであることの説明や当社の中長期的なキャリア支援のテーマ「想いをカタチに」をガイダンス冒頭に案内する事で、取組への主体的な参画を呼びかけました。併せて既存のキャリア支援施策を紹介し、制度等の再周知と積極的な活用についても促しました。
・研修ではライフラインチャート作成の他に、より自己理解を深めるためのツールとしてエゴグラムの作成の仕方と結果の解釈を紹介し、充実したジョブ・カード作成の時間を設けました。
・キャリアコンサルティング後に、対象社員とその上司で1on1面談を設け、ジョブ・カードをもとに、今後のキャリア形成も見据えた働き方について上司と対話する機会を設けました。

今回の試行導入で、どのような効果がありましたか

・中長期的な視点での学び・学び直しを考えるきっかけとなった
・組織課題の再認識と今後のキャリア形成支援施策の見直しの機会を得た

<セルフ・キャリアドックの効果>
今回のキャリアコンサルティングを通して、支援対象者からは、「今後のキャリア・プランを考えるきっかけになる」「キャリアを考える意義が理解できた」「今後どういうことに取り組んでいきたいかを明確にするための一助となった」という声があり、中長期的な視点でのキャリアについて行動を具体化できていないという課題に気づく事ができました。また、支援センターの報告書にあった、キャリアコンサルティングの面談傾向から、学び・学び直しの必要性を感じているものの、学ぶ内容について具体化できていない一方、従業員の学びへの意欲が高いことを改めて認識し、キャリア形成支援策の更なる拡大に取り組むきっかけとなりました。

今後取り組みたいことを教えてください

・定期的及び継続的なキャリアコンサルティングを受けられるスキームの確立、学び・学び直し支援強化

<セルフ・キャリアドックの企業内の定着に向けての取組>
本取組の有効性を実感できたため、今後は自律的な取組を継続できるよう、社内キャリアコンサルタントの体制を整えつつ、定期的及び継続的なキャリアコンサルティング等の実施に力を入れ、「キャリアを考えることは、当たり前である」文化を醸成していきたいと考えております。
<今後の課題と展望>
社会への貢献意識が高く、目の前の仕事に一生懸命取り組んでいるミドル層社員への中長期的なキャリア形成支援を足掛かりに、全社員に対しても支援ができるよう、社内公募制度や社内複業制度、自己啓発支援制度など既存のキャリア支援施策と連動した、従業員の学び・学び直しのサポートの強化にも取り組んで参ります。