社会福祉法人横浜YMCA福祉会

社会福祉法人横浜YMCA福祉会

まずは管理職層を対象に課題の整理やキャリアを自律的に考えることを支援、職員全体のキャリア支援の充実へ

活用テーマ セルフ・キャリアドック

所在地 神奈川県横浜市中区常盤町

業種 生活関連サービス業

事業概要 認可保育園の運営・高齢者福祉事業の運営・指定管理施設の運営

設立 1998年11月

従業員 268名


貴社の人材育成ビジョン、育成方針を教えてください

自律的な成長を通して社会課題に取り組むことができる人材育成を目指す

<経営理念>
イエス・キリストの愛と奉仕の精神に基づき一人ひとりのいのちが輝く平和な社会の実現を目指す。
<人材育成方針>
研修や事業を超えた委員会などの役割、海外研修などを通して視野を広げ、価値観の転換や気づきにつなげる。
YMCAの働き人として使命の実現に寄与するとともに、一人ひとりが社会人としてありたい姿を実現するために自律的な成長を支援する。
<求める人材像>    
・社会の中で弱い立場に置かれている人々に寄り添う視点を持つ人材。
・自分自身のスキルを活かして社会課題に取り組むことができる人材。

セルフ・キャリアドックの導入を検討した目的を教えてください

管理職の自律的なキャリア形成を進め、職員全員が生き生きと働くことができる環境を整える

<試行導入の経緯>
横浜海岸教会の青年たちが中心となり横浜YMCAが誕生し、地域の福祉に対するニーズに対応するため、社会福祉法人横浜YMCA福祉会がスタートしました。しかし、全国的に保育職員の採用が厳しい中、当法人でも採用と職場定着に課題を抱えていました。その改善を図るためにも、個々の職員が仕事とプライベートを充実させながら仕事へのやりがいを感じ、キャリアウェルビーイングを実現できる環境を実現したいと思い試行導入を行いました。
<試行導入の目的>
まずは組織の中核を担う管理職に対して自律的なキャリア形成のサポートを進め、その先の職員全員が生き生きと働くことができる環境整備を目的にキャリアコンサルティング面談で現状の把握、課題の認識ができるようにしたいと思いました。

今回の試行導入で、どのようなことに取り組みましたか

管理職が自分の働き方を振り返り、自身のキャリアを考える第一歩として、キャリア研修・キャリアコンサルティング面談を実施

<具体的な取組(取組内容、対象者層など)>
管理職が自分の働き方を振り返り、自身のキャリアを考える第一歩として、各園の園長や主任等、管理職32名を対象に試行導入を行いました。まずはこの取り組みを進める前に、法人内でもともと実施予定だった宿泊研修に職員のキャリア形成の理解を深めるセミナーを組み込み、セルフ・キャリアドックの取り組みへの理解を促しました。その後、改めてキャリア形成・学び直し支援センター事業による自律的なキャリア形成の必要性や管理職としての役割期待を考える内容のセミナーを実施し、法人が取り組もうとしているキャリア形成支援について、初めてキャリアコンサルティング面談を受ける管理職が安心感を持って面談に臨んでもらえるよう進めていきました。

取り組む上で工夫した点を教えてください

セルフ・キャリアドックの目的と意義を丁寧に伝えることを心がけた

<取り組む上で工夫したこと>
ジョブ・カードの作成やキャリアコンサルティング面談を受けること自体が初めてのスタッフが多かったため、宿泊研修や会議内での説明を通して、セルフキャリアドックの目的と意義を丁寧に伝えることを心がけました。キャリアコンサルティング面談は、組織内の施設ではなく、キャリア形成学び直し支援センター内で実施をしていただきました。職場から離れて面談を受けることにより、じっくり自分と向き合って、またリラックスして本音を話しやすい環境づくりを心掛けました。

今回の試行導入で、どのような効果がありましたか

管理職が個々のキャリアの価値を理解し、より活躍の幅を広げる視点を持つ機会になった

<セルフ・キャリアドックの効果>
今回対象となった管理職層は、普段は職員の相談を受けたり話を聞く立場が多く、自身のキャリアを振り返り、目標設定をする機会が十分になかった中で、キャリアコンサルティング面談の中で、自身の経験について再度評価し、現状の管理業務の課題を整理する時間は有意義だったようです。また、実施後の報告から、組織の使命を大切に考えている管理職が多い事が分かりました。その反面、自分がどのように働きたいかなど自身のキャリアを自律的に考える機会が少ないという課題が見えてきました。これらのことから管理職をはじめ、職員が生き生きと働く事ができる職場環境を整えていくためにもキャリア支援の充実の必要性を改めて知るきっかけとなりました。

今後取り組みたいことを教えてください

職員一人ひとりが自律的に自分の働き方を考え、なりたい姿を実現していく風土づくりに取り組みたい

<セルフ・キャリアドックの企業内の定着に向けての取組>
将来的にはキャリアコンサルタントの資格取得者を配置することも考え、キャリア面談の実施やセミナーの開催を定期的に行い、職員のキャリア意識の醸成を促していきたいと考えています。
<今後の課題と展望>               
働きやすい職場環境を整えるとともに、一人ひとりが自律的に自分の働き方を考え、職場内での研修だけでない学びを通してなりたい姿を実現していく風土を作っていきたいと思います。それにより、スタッフが主体的に自分の生き方を切り拓いていくことを通して、当法人の経営理念である一人ひとりのいのちが輝く平和な社会実現に寄与し、働きがいや自身の成長を実感できる職場づくりに努めていきます。