株式会社木の里工房 木薫
「森から子どもの笑顔まで」というビジョンに共感し集まった
多様な社員の想いを活かし、組織力を高める
活用テーマセルフ・キャリアドック
所在地岡山県英田郡西粟倉村
業種林業・木工製造業
事業概要森林整備/木製保育家具・遊具の製造販売
設立2006年7月
資本金2000万円
従業員26人
貴社の人材育成ビジョン、育成方針を教えてください
・森を大切にし、次世代へ伝えていける人材を育成
・子どもたちに無垢の木の手触りやぬくもり、薫りを届ける人材
<経営理念>
創業理念『森から子どもの笑顔まで』
林業経営と工房経営を一体化して行っています。
先代が植えた苗を育て、間伐することで未来へと残し、良質な山を育てるという循環を行い、子どもたちにホンモノの木製品を届けています。
<人材育成方針・求める人材像>
・西粟倉村の美しい山林を子どもたちの笑顔とともに、未来へ受け継いでいく人材
・山主さん、子どもたちや先生方が喜ぶ姿を想像しながら仕事に取り組む人材
・お客様のために常に最高のパフォーマンスを発揮するプロフェッショナル人材
セルフ・キャリアドックの導入を検討した目的を教えてください
・木薫に入社したときの想いを再確認し、キャリア・プランを明確に
・企業の成長過程で、組織力を強化したい
<試行導入の経緯>
弊社は西粟倉村という岡山の山奥にありますが「森から子どもの笑顔まで」というビジョンに共鳴して、他県からもUIJターンで就職してくれるようになりました。従業員数も6名から26名に増える中で、組織としての力をより発揮していくための方法を考えていたところ、広島・岡山キャリア形成・リスキリング支援センターより組織と個人の双方がwin-winになるセルフ・キャリアドックの試行導入の提案を受けました。
<試行導入の目的>
従業員が増え、企業としても成長する過程で、全従業員にキャリア支援研修を実施したいと考えていました。セルフ・キャリアドックの試行導入を活用し、一人ひとりが木薫を選んだ想いを再確認し、キャリアプランを明確化することで、組織の強化につながると思い、導入を決めました。
今回の試行導入で、どのようなことに取り組みましたか
・ガイダンスセミナーの実施
・全従業員25名のキャリアコンサルティングを実施
<具体的な取組>
これまで人材育成は、直属の上司が部下に仕事を教えるという形でしたが、これからは横串の繋がりも必要だと感じており、従業員の育成方法について検討していました。また、従業員の多様性に、組織がどのように応えていくかも課題でした。
従業員は20代の新卒からシニア層まで年齢層も幅広く、また、創業期のメンバー、他業種からの転職、新卒など入社経緯も様々です。そういった多様な従業員一人ひとりが活きる人材育成を行いたいと思いました。
まず、従業員全員で集合型のガイダンスセミナーを開催しました。その後、社長以外の全従業員が、ジョブ・カードを作成し、オンラインにてキャリアコンサルティングを受けました。
取り組む上で工夫した点を教えてください
・ガイダンスセミナーは担当キャリアコンサルタントに直接会う機会に
・キャリアコンサルティングはオンラインで実施
ガイダンスセミナーでは、西粟倉村まで担当キャリアコンサルタントにお越し頂き、事前に直接会う機会を作りました。キャリアコンサルタントはどのような人なのか?キャリアコンサルティングとはどのようなものなのか?事前にキャリアコンサルタントと会うことで安心して面談に臨めるよう工夫しました。
また、弊社は岡山市内から片道2時間ほどの山林にあり、冬季だったため雪の影響も懸念して、オンラインでキャリアコンサルティングを実施しました。オンラインでも、お互いに手元にジョブ・カードがあることで会話の糸口となり、これまでの振り返りや、キャリア・プランなど話しやすくなったと思います。
今回の試行導入で、どのような効果がありましたか
・一人ひとりが、これからの働き方を考える機会となった
・社内の現状を把握、現状に基づいた人材育成ができる
キャリアコンサルティングでは、これから取り組みたいことや、それを実現するために必要なことを一緒に考えたり、木薫を選んだ想いを振り返ってみるなど、有意義な時間になったようです。
今回の試行導入では、広島・岡山キャリア形成・リスキリング支援センターから、組織開発に精通したセルフ・キャリアドック導入コンサルタント、面談にあたったキャリアコンサルタント、普及推進員の3名体制で一体となって会社の発展や社員一人ひとりのことを真剣に考えて対応してくれました。結果報告会では、キャリアコンサルティング面談の全体傾向から、現状に基づいた課題分析や今後の有効な人材育成・キャリア形成支援についての取組の提案を受けることができました。
今後取り組みたいことを教えてください
・会社全体の人材育成担当者の選任
・セルフ・キャリアドックの本格導入の検討
今後、人材育成に取り組んでいくにあたり、会社全体の人材育成担当者を選任したいと思います。また、キャリアコンサルタントの確保、キャリアコンサルティング実施頻度や組織への活かし方など、仕組みとして、どのように取り組んでいくかの詳細を今後決めていこうと思います。
6人で始めた会社が創業15年目で26名となり、組織化していく上での様々な課題が出てきている現状ですが、志や希望をもって集まったメンバーが、一つの組織として共感・協力しあえるように、今まさに仕組み作りの時期だと思っています。
一人ひとりの思いを大切にし、個々の強みがさらに発揮できる組織作りの手段として、セルフ・キャリアドックの本格導入を進めたいと思います。