呉金属熱錬工業株式会社
創業70年 抜本革新の好機!
社員一人ひとりの働く充実感のためにセルフ・キャリアドックを導入実施!
活用テーマセルフ・キャリアドック
所在地広島県呉市
業種製造業
事業概要金属熱処理加工業
設立1952年11月
資本金3,000万円
従業員45人
貴社の人材育成ビジョン、育成方針を教えてください
・年齢にこだわらず、本人のやる気を大切にする
・自分のスキルを磨き続けられる専門性の高い人材の育成
<経営理念>
私達は、時代の要請、お客様のニーズに応え、真心と超一流の技術で製品に命を焼きつけ、常に自己の能力開発と技術の向上に挑戦し、社会に貢献し続ける理想の組織体を全社員一丸となってめざします。
<人材育成方針・求める人材像>
・本人のやる気、主体性を大切にします。資格取得者への報奨金制度を設けてます。
・本人の働きたいという希望を尊重し、高年齢者の継続雇用を積極的に進めています。
・雇用形態に関わらず、働きや能力に応じて賞与を支給し本人の更なる成長を応援します。
・やる気を持って、スキルの向上と自己研鑽に努力する人材を求めています。
セルフ・キャリアドックの導入を検討した目的を教えてください
・ベテラン社員から若手社員への技能の伝承、関係性の向上を図る
・働く意識、モチベーションのアップと職場の活性化につなげる
<試行導入の経緯>
技能に長けたベテラン社員が65歳の定年以降も働き続けられるよう、継続雇用を積極的に進めてきました。その一方で、若手社員への技能の伝承と育成が進んでいないことに課題を感じていました。そうした折、広島・岡山キャリア形成・リスキリング支援センターから、セルフ・キャリアドックを導入することで、そのような課題の解決につながるのではとの提案を受けました。
<試行導入の目的>
キャリアコンサルティングを通じて、日頃感じていることを言葉にして整理することは意義あることだと思いました。一人ひとりの働く意識、モチベーションがアップすることで、職場の活性化も図れるのではと感じました。互いの関係性の向上によるスムーズな技能の伝承や人材育成の新たな取組として、セルフ・キャリアドックの導入効果を試行してみたいと考え、実施を決めました。
今回の試行導入で、どのようなことに取り組みましたか
・ジョブ・カードを活用した事前ガイダンスセミナーの開催
・個別のキャリアコンサルティングを実施
<具体的な取組>
金属熱処理加工の技能は習得には経験と長い時間が必要です。現状はベテラン技術者が半数を占めており作業に問題はないのですが、今後は若手社員の育成と技能の伝承が課題となります。そのための教育体制づくりと環境整備をどう進めるかが課題でした。対象は、正社員・パート・アルバイト等の計28名としました。広島・岡山キャリア形成・リスキリング支援センターに講師を依頼して事前ガイダンスセミナーを開催しました。 その中で、セルフ・キャリアドック導入の目的を説明した後に、キャリアを振り返り自己理解を深めるワークに取り組みました。その後、作成したジョブ・カードを基に、1人1時間のキャリアコンサルティングに臨みました。
取り組む上で工夫した点を教えてください
・実施の導入目的を分かりやすく説明
・スケジュールに余裕を持たせたキャリアコンサルティングの実施
<取り組む上で工夫したこと>
・全員がジョブ・カードを作成するのは初めてでしたので、導入目的について分かりやすく説明した上で、自己理解の進め方やキャリアの振返りなど取り組みやすいワークを中心に構成し実施してもらいました。
・キャリアコンサルティングの面談調整にあたっては、業務上、製品の納期に支障が出ないよう、各部門長に導入の目的を知ってもらい、部門の協力を得てスケジュールを調整しました。1日あたり3~4名、週3日の実施と、分散して実施日程を組むことでスケジュールに余裕を持って実施しました。
今回の試行導入で、どのような効果がありましたか
・自己理解を深めたことで、個々の目標を整理することができた
・キャリア形成支援と人材育成施策のヒントが得られた
キャリアコンサルタントに心の内を言葉にして聴いてもらうことで自己肯定感と安心感が得られ、自分のキャリア形成についての意識が向上した従業員が多く見受けられました。これまで自分のキャリアについて振り返ったり考える機会はほとんどありませんでしたので、実施の効果は大きかったように思います。
会社側としても、日頃から頑張っている社員の不安が解消できるような場になればと思っていましたが、広島・岡山キャリア形成・リスキリング支援センターによる実施報告会で、多くの社員が会社の将来を深く考えている傾向があったとの報告を受けとても嬉しく思いました。また、今後の方向性として、キャリア形成支援についての助言や育成施策の提案もあり、課題解決のヒントを得ることができました。
今後取り組みたいことを教えてください
・管理職層の連携強化
・技能伝承と人材育成のマニュアル作成
<セルフ・キャリアドックの企業内の定着に向けての取組>
今後、どのような形でセルフ・キャリアドック導入を実施していくかはまだ検討中ですが、ジョブ・カードを活用し一人ひとりのキャリア・プランに向き合えるような場を定期的に設けたいと思っています。
<今後の課題と展望>
結果報告会で見えてきた、部門間の業務連携課題解決に向け、今後は管理職層のミーティングの実施などコミュニケーションの取り方に工夫をしていきたいと思います。また、提案を受けた「生産性向上支援訓練」を活用した独自の在職者向け訓練の実施や、技能伝承と人材育成のマニュアル作成等のキャリア研修等の育成施策を進めて参ります。