株式会社吉田SKT
セルフ・キャリアドックを導入し、自己目標設定の機会づくりと
フィードバック体制の構築で、従業員のエンゲージメント向上に繋げる
活用テーマセルフ・キャリアドック
所在地愛知県名古屋市西区
業種製造業
事業概要ふっ素樹脂コーティング及び表面処理
設立1950年4月
資本金5,000万円
従業員184名
貴社の人材育成ビジョン、育成方針を教えてください
・新たな発想を仕事に注入する「探求心」や「挑戦欲」を支援
・個の成長が、会社の成長・発展に繋がる
<経営理念>
無数の「カイゼン」「解決」のお手伝いで、モノづくりを支えています
<人材育成方針>
必要なスキルを判断し、自分で目標設定、達成を行う人材の育成
<求める人材像>
営業、事務、技術、製造・品質管理のどの職種についても『こんなことを仕掛けてみると、道が開くかも知れない』という探究心や挑戦欲が、当社社員に求められる重要な資質です。
セルフ・キャリアドックの導入を検討した目的を教えてください
・人事考課制度運用においての自己目標設定の精度アップ
・適切なフィードバック体制の構築で従業員のエンゲージメント向上
<試行導入の経緯>
・人事考課制度運用における自己目標設定の前段階として、自己の強みと弱み、今後進みたいキャリアを明らかにする良い方法がないかを模索していたところ、愛知・岐阜キャリア形成・リスキリング支援センターより、ジョブ・カードの活用とセルフ・キャリアドック試行導入の提案を受けました。試験的に管理部員5名がキャリアコンサルティングを受け効果を感じたため、試行導入支援を活用することを決めました。
<試行導入の目的>
・自己目標設定の精度を高め、より社員の自発的な活動を促す。
・適切なフィードバック体制の構築による社員のエンゲージメント向上。
・社員の声を聞くキャリアコンサルティング実施の効果確認。
今回の試行導入で、どのようなことに取り組みましたか
・事前ガイダンスセミナーでジョブ・カードを作成
・入社5年目までの全社員を対象にキャリアコンサルティングの実施
<具体的な取組>
愛知・岐阜キャリア形成・リスキリング支援センターの導入コンサルタントと話をする中で、社員が抱えるキャリア形成と人材育成上の課題として、社内のキャリアパスや必要なスキルの明確な提示の必要性と、技術の習得に追われ個々人が将来のキャリアについて考える機会を持てていないのではないかという点が挙がり、これらの課題の解決に取り組む機会にしたいと考えました。入社5年目までの全社員を対象に、事前ガイダンスセミナーを実施しました。ジョブ・カード作成を通じて、自分の強みと弱みを整理し、進みたい方向性やキャリア・プランを考えました。その後、作成したジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティング面談を実施しました。
取り組む上で工夫した点を教えてください
・職業能力開発推進者の所属部署で先行実施し効果を実感
・事前ガイダンス開催で対象者に対し、実施目的と内容を丁寧に説明
<取り組む上で工夫したこと>
・まず、試行導入実施の前に、職業能力開発推進者(以下「推進者」という。)が管轄する部署5名でジョブ・カード作成とキャリアコンサルティング面談を体験。その効果を感じ、全社展開に繋げました。
・事前ガイダンスセミナーは、職種による業務スケジュールに合わせ2回に分けて開催。試行導入の目的・実施内容を丁寧に説明しました。そして、キャリア自律の必要性とともに、社長メッセージや推進者のライフラインチャートも紹介しました。
・キャリアコンサルティング面談の実施対象者の勤務場所が、本社・営業所・工場に分かれていたため、各所属部署との面談スケジュールの調整に苦労しましたが、オンラインでの面談で調整したことにより、効率的に実施できました。
今回の試行導入で、どのような効果がありましたか
・自分の強みや今後すべき事が整理でき自己目標設定の精度がアップ
・モチベーションが向上し、社内に活気が出てきた
<従業員の声>
実施後のアンケートで、キャリアコンサルティング面談を受けた社員の96%がジョブ・カードを自己理解ツールとして活用できたと回答、また、キャリアコンサルティング面談は全員が有益であったとの回答でした。「社外の方に話をすることは新鮮で、本音で話をすることができてとても良い時間になりました」との意見もありました。
<会社側の声>
ジョブ・カード作成やキャリアコンサルティング面談を通して、一人ひとりが、これから取り組むべき課題が整理でき明確になったことで、社員たちのモチベーションが向上し、社内に活気が出てきました。
今後取り組みたいことを教えてください
・年次ごとのキャリア研修の定期的な実施
・ヒューマンスキル系の研修プログラム等の新たな研修の導入
<セルフ・キャリアドックの企業内の定着に向けての取組>
セルフ・キャリアドックの定着に向けて、対象実施部門を少しずつ拡げ、実績を重ね、キャリア相談室を設置して福利厚生的側面での支援を行うなど、様々な施策を検討していきたいと思います。
<今後の課題と展望>
中堅スタッフ、次世代リーダー層向けのキャリア研修とキャリアコンサルティングの実施が重要と考えており、キャリア相談窓口等の利用促進策もあわせて、中長期的施策として検討していきたいと考えています。社員のさらなるモチベーション向上と組織の活性化に繋げたいと考えています。