株式会社都市開発設計
若手のキャリアを後押しし会社の魅力を高める
活用テーマジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティング
所在地福島県郡山市富久山町福原字宝田77-3
業種設計(土木)
設立平成3年5月
従業員30名
導入の経緯
事業拡大により次世代社員のフォローアップが課題に
当社は、道路や橋をはじめとする社会インフラの計画・設計、調査、維持補修、補強などを手掛けてきた、設立から35年を迎える建設コンサルタント会社です。ここ5、6年は事業を拡大しており、より多くの従業員が必要となったことから、採用にも力を入れてきました。それにより従業員数は事業拡大前の倍になり、若手も急速に増えていく中で、その育成が急務となりました。
当社では近年、地権者に要件や日程をわかりやすく伝えるなど、役所を含めた外部の方とやりとりをすることが頻繁に生じるようになってきました。
これまでそうした役割は中堅以降のベテラン社員に頼っていましたが、若手社員にもこうした場面で必要なコミュニケーションのスキルを、受け身の姿勢ではなく自ら積極的に学び、身に付けてほしいと考えました。
また、若手社員の先輩にあたる中堅社員には、自らの経験や強みを活かし、若手社員を指導できるようになってほしいとも考えていました。
しかしながら、中堅社員は業務における職責が重く、目の前の業務遂行で精一杯なため、若手社員の指導まで手が回っていません。それどころか、メンタルヘルスに関するアンケートで「メンタルの状態がよい状態を100%とした場合、今の状態は30%くらい」と回答した社員も数名いるなど、若手社員のみならず中堅社員へのキャリア支援も実施したいと思っていました。
こうした中で、インターネット検索からキャリア形成・リスキリング支援センターを知り、当社が抱えている課題を率直に相談しました。
センターからは
1.まずはジョブ・カードを用いたキャリア形成セミナーで、自身の経験や強みを整理し自己理解を深めること
2.そのうえで個別のキャリアコンサルティングで、不安や悩みをじっくり言語化し、今後の方向性を一緒に考えること
が有効ではないかとの提案をいただきました。
加えて若手社員には、ビジネスマナーの不安をなくし、ビジネスの場でのコミュニケーションにおける自信を深めてほしいと考えており、センターと相談の上、通常のキャリア支援セミナーにビジネスコミュニケーションのロールプレイングも追加してもらうこととしました。
自己理解を深め、自分の強みを見つけられれば社員に自信がつくのではないか。また、キャリアを相談する機会を持つことで、自身のキャリアの悩みやありたい姿が整理され、積極的に学ぶ姿勢が生まれるのではないか。」と考え、導入を決めました。
取組内容と効果
キャリアの振り返りで、今後やるべきことを整理。業務への集中力が上がり、積極的なコミュニケーションも生まれた
キャリア形成セミナーと、キャリアコンサルティングを、若手社員と課長職以下の中堅社員を対象に実施しました。セミナーの実施に当たって、社長が対象者となった社員に対して、今回の取組に至った背景を説明するとともに「会社として社員のキャリアを支援したい。自身の成長につながるため、前向きに取り組んでほしい」「ジョブ・カードを使って自分を振り返ることで、自分に何ができるのかが理解できる。ぜひ丁寧に取り組んでほしい」という思いを伝えました。社長の言葉を受け、慣れないながらも真摯にジョブ・カードを記入する社員たちの姿が見られ、中には職務経歴をはじめとする各項目を隅々までびっしりとジョブ・カードに書き込む社員もいました。
セミナーは若手、中堅ともに、「キャリアを振り返ることで、自身の強みを可視化し、仕事の意欲の向上につなげる」ことをテーマに実施しました。ジョブ・カードを活用してこれまでのキャリアを振り返り、自身のWill(やりたいこと、仕事の目標)・Can(できること)・Must(すべきこと、期待されていること)を考えました。
その後、作成したジョブ・カードをもとに、キャリアコンサルティングをしました。
参加した社員からは、「ジョブ・カードの作成で自分のキャリアを見つめ直し、強みや得意なことが理解できた」「振り返りをすることで、やってきたことに自信が持てた」といった声があり、自己理解を深め、強みを見つける良い機会となったことが伺えました。また、キャリアコンサルティングについては、「相談に乗ってもらい気持ちが楽になり、今後の方向性も見えた」という声が聞かれました。
自身の評価者にあたる上司等ではなく、外部かつキャリアのプロであるキャリアコンサルタントの方だからこそ、業務やキャリアの悩みを率直に話すことができた社員が多くいたようです。中には、「悩みを相談し、今後の目標への道筋を立てられたことで、以前より集中して仕事に打ち込めるようになった」と話す社員もいます。傍から見ていても、中堅社員の業務効率は、体感ではありますが1.5倍くらいに上がっているのではと感じています。
また、若手社員は以前よりも積極的に電話に出たり、周囲と意思疎通を図ろうとしたりする姿が見受けられるようになりました。ビジネスマナーを学び、さらに自身の強みをみつけられたことが、少しずつコミュニケーションの上での自信に繋がってくれているように感じています。
さらに、キャリアコンサルティングを実施したことで、組織における自身の役割が明確になり、もっと周囲とコミュニケーションをとる必要があると考えた社員が増えたからか、職場での会話が増え、互いの業務に関心を寄せる様子が見られるようになりました。こうした組織活性化の点でもメリットがあるのは意外な発見であり、この事業を活用してよかったと感じています。
今後の取組
上司が部下のキャリアの支援をすることを促進。「この会社にいたい」と思える組織へ
取組を経て、「自分自身を振り返ること」の大切さ改めて感じました。これまで自身のことを振り返る機会が無かった社員たちが、キャリアだけではなく人生そのものを振り返り、自分はどういうときに幸せを感じ、何を大事にしているのかを可視化し、自己理解を深める。そうした機会を持てたことが良かったと思っています。
よって、今後も社員が自分自身やキャリアを振り返る機会を作っていきたいです。一方で、今回の取組により、社員の面談を担当する役員やベテラン層に傾聴のスキルが不足していることが課題として見えてきたため、こうしたスキルを身につけるための学びを実施したいと考えています。
また、社内のコミュニケーションをさらに促進するため、これまで上司からの一方通行のレクチャー方式で実施していた業務講習会を、若手も含めた社員が担当業務を振り返りながら説明し、周りがレビューするという、双方向のコミュニケーションが生まれる方式に改めるための試行をしています。
社員一人一人が自分の強みを見つけ、それを活かした主体的なキャリア形成を行っていく。そして、自らのスキルアップのために、周囲とも積極的にコミュニケーションを取り、お互い学び合っていく。そのことで、個人が成長するとともに、社員が「この会社にいたい」と思う組織に会社も成長していくことを期待しています。
