共栄社化学株式会社
セルフ・キャリアドックを通して、社員一人ひとりが自立して働くことで会社の成長につなげたい!

活用テーマセルフ・キャリアドック
所在地大阪府大阪市中央区南本町2丁目6番12号サンマリオンタワー20階
業種化学製造業
事業概要金属化学品事業、機能性化学品事業、塗料添加剤事業
設立1904年5月
資本金2億1千万円
従業員271名
試行導入の経緯
社員一人ひとりが自立して働くことで会社の成長につなげたい
社員一人ひとりのキャリアを支援することで組織の成長につなげたいと考え、2019年「キャリアカウンセリング室」を発足させました。キャリアカウンセリング室を立ち上げたものの具体的な取り組みができておらず、日々目の前の仕事が忙しい社員たちに対して、今後どのような取り組みをしたらよいかを悩んでおりました。そのようなときに、当時のキャリア形成サポートセンターの事業チラシをみて相談させていただきました。
セルフ・キャリアドックを導入し、定期的なキャリアコンサルティングを実施することで、社員一人ひとりが自己理解を深めてキャリアプランを考える機会を持つことができ、今まで以上に目的意識ややりがいを持って働けるのではないか、そのような社員が増えることで会社の成長につながるのではないかと考えました。
取組内容と効果
入社6年目社員に対して実施し、意識変化につながった
2020年に、入社6年目社員12名を対象に試行導入を実施しました。入社6年目を選んだ理由としては、入社3年目まではフォローアップ研修を実施しているものの、4年目以降は研修を実施できていないこと、また、仕事にも慣れて働く環境も変化する前の時期に、一度立ち止まって今後のキャリアを考える機会があるとよいのではないかという思いから決めました。
試行導入の取り組みに対する不安や疑問があがっていたことからキャリア研修の前にガイダンスセミナーを実施し、対象者の上司にもオブザーブ参加をしてもらい、セルフ・キャリアドックに取り組む意味や意義を丁寧に説明しました。ガイダンスセミナー後のキャリア研修では、大事にしたい価値観や強みと弱みを整理できるように、対象者にジョブ・カードとライフラインチャートを活用してこれまでの振り返りを行い、参加者同士で対話をするグループワークを実施した上で、今後のキャリアプランを考えてもらいました。
日々の業務に追われ、これまで経験を振り返ることやありたい姿をゆっくり考える時間が持てていなかった社員が多かったのですが、ガイダンスセミナーや面談を通し、日頃の仕事から離れて自分自身を考える時間を設けたことで、実施後のアンケートでは「意識していなかった強みを知ることができて仕事で活かしたい」「新たな自分に気づけて自信につながった」といった感想を聞くことができました。自分の強みや弱み、価値観を知ることで、自分の強みをもっと仕事に活かしていきたいという意識を持つようになったことに大きな変化を感じました。
今後の取組
入社6年目社員の他、管理職候補の人材にも展開していきたい!
弊社では、2020年にキャリア形成サポートセンター事業を活用したセルフ・キャリアドック試行導入を実施した後に、2021年にセルフ・キャリアドック本格導入を実施し、現在も継続しております。
2021年の本格導入の際に、個別相談に限らず、総合的なキャリア形成支援を行う部門とするために「キャリアサポート室」に名称を変更しました。その後、2022年には、キャリアコンサルティング実施の対象層を、管理職前のランクになってから2年目の社員まで拡大して実施しました。また、継続的に実施していた入社6年目の社員に対しては、さらなる充実化のため、研修を2日間にわたって実施することにしました。2023年以降は、入社6年目と管理職候補の社員に対して、キャリア研修とキャリアコンサルティングを継続的に実施しています。
社会が急激に変化する中で、組織も個々人のあり方にも変化が求められていますので、社員がセルフ・キャリアドックを通じて、個々の能力、展望、あるべき姿を明確にしていくことで、仕事のやりがいを見出し、職務におけるモチベーションを高めていくことを期待します。また、自律型人材を育成することで、組織の発展を図っていきたいと考えています。
取組上の工夫したことは何ですか?
社員の意識変化と社内コミュニケーションの活性化の効果がみられた
研修後のレポートで社員の声を聞くと「漠然としていた目標が明確になって良かった。何となく仕事をしていたが、目的意識を持って働くようになった」「この先自信を失ってしまった時にこの研修を振り返り、持ち味を発見し直したいと思う」など、仕事に取り組む際の意識が変化したなと感じています。また、研修を実施することで参加者同士のつながりが深まっていると感じています。「他部署の仕事を知ることができて協力体制が取りやすくなった」「横のつながりが深まるので仕事がしやすくなった」といった声も聞き、コミュニケーションの促進につながり一体感が深まったと感じています。
こうした社員一人ひとりの変化が組織の活性化につながりますので、今後も、キャリア研修及びキャリアコンサルティングを継続していきたいと考えています。
現在、研修で作る「キャリアデザインシート」を本人と上司とキャリアサポート室とで共有することで、キャリア支援の充実化に取り組んでおります。キャリア研修では自己理解を深め、経済動向や労働市場を踏まえ、今後目指す会社の方向性等を伝え自身を取り巻く環境を認識した上で「キャリアデザインシート」を記入してもらいます。「キャリアデザインシート」には5-10年後の自分のありたい姿を描いてもらい、直近1年以内の行動プランを入力しています。「キャリアデザインシート」は上司にも共有するとともに、社内のキャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングで内容を深めています。特に、研修受講中の様子や受講後の「キャリアデザインシート」の内容を見て、それぞれの状況に併せてキャリアコンサルティングを実施しています。
セルフ・キャリアドックの取り組みは即効性や効果が見えにくい部分があるので、今後も継続して実施することで従業員の皆さんにセルフ・キャリアドックを実施する意味や意義への理解を深めていただき、定着を図りたいです。