社会福祉法人植竹会 幼保連携型認定こども園 ゆたか第二保育園
ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを実施することで保育士の意識改革を目指す!

活用テーマジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティング
所在地群馬県伊勢崎市今泉町1丁目1430
業種医療・福祉
事業概要延長保育・一時預かり・子育て支援・病後児保育・休日保育・ゆたか児童クラブ
設立平成25年4月1日
従業員20名
導入の経緯
職員の長期勤務促進のため、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを実施し、モチベーションとスキル向上を実現したい
当園では、女性職員が多く、結婚、出産、子育て、介護などのライフイベントを経て、働き方が変わる選択をしたとしても、スキルアップしながら長く働き続けてもらいたいと考えていました。しかし、自身のライフイベントにより前向きに働けない、また、他の同僚たちに負担がかかり引け目を感じると考える保育士が多く、キャリア選択についての考えをオープンにすることができていないのが現状でした。そこで、群馬キャリア形成・リスキリング支援センターより事業の説明をしていただいた中で、職場では話しづらいことも外部の専門家との面談では、安心して自己開示ができ、ライフイベントを含むキャリアについての考えを明確にすることで、キャリアへの向き合い方も変わり、前向きに仕事に取り組む意識を持ってもらえるのではないかと考えました。また、保育に関する研修はあるものの職員キャリアにフォーカスした研修は実施したことがなかったため、保育士のモチベーションアップと個々のスキル向上も期待し、長く働けるキャリア支援の一環としてジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを導入することにしました。
取組内容と効果
経験の浅い保育士10名を対象にセミナーを実施、キャリアを振り返りながら「保育士」という職業について考える機会とする
経験が比較的浅い保育士を対象に、ジョブ・カード作成支援セミナーを開催しました。セミナーは午前・午後の2回に分けて各5名にて実施し、ゆたか保育園とゆたか第二保育園の保育士が合同参加しました。セミナーでは、ジョブ・カード活用ガイドを使ってライフラインチャートを作成し、満足度の上昇・下降時の自分の感情を振り返り自己理解を深めるとともに、他者理解としてペアワークでは保護者と保育士との役割を演じてロールプレイングを行ったことで、他の保育士の応対を見ることができ自身の対応の幅が広がりました。保育士として一番大切なコミュニケーションの取り方を改めて学び直したことで個人のスキル向上にもつながりました。そして最後にセミナーを通してキャリア・プランシートの価値観を書くことで自分が大切にしたいキャリアの軸を明確にしました。
また、普段接する機会の少ない保育士同士の交流の場ともなり、保育士という職業ならではの悩みを共有したことで、互いに支え合う気持ちが改めて芽生え、モチベーションが上がったとの声がセミナー実施後の声でありました。保育士としての在り方など改めて考える有意義な時間となったのではと感じました。その後、セミナーとは別の日に午前と午後に分けてキャリアコンサルティングを実施しました。
今後の取組
全職員に向けてジョブ・カード活用セミナーとキャリアコンサルティングの機会を設け、自己理解・自己成長につなげていくこと
保育園間の交流を深め、組織として園児や保護者の満足度を高めていきたい
今回のセミナーとキャリアコンサルティングは初めての試みであり、一部の保育士職員のみが参加となりましたが、実施後アンケートから、10名全員が大変満足及び満足と回答しており、その理由として「自己を振り返り、自分を理解することができた」「保育士のキャリア、スキル、能力をもっと知れたら良いと思った」「次のことを考える力が出てくるように感じた」とありました。また、キャリアコンサルティングを通じ、「考え方の整理、キャリアイメージを持つことが大切であると感じた」との声もありました。こういった声から、自分のキャリアに対する考えを整理でき、前向きに仕事に取り組む意識の変化が見られたと感じています。
さらに、実施後の報告書には、セミナーで他の参加者から刺激を受けて自分にできることを頑張っていきたいと思うようになったという声がキャリアコンサルティングの際に聞かれたとの記述もあり、今回の取組により職員の成長につながる良い効果が得られていることが伺えました。また、今後は、職員全員にジョブ・カードを作成してもらい、キャリアの振り返りの機会を設けるとともに、保育に関する研修だけでなくキャリア形成支援のための研修制度を取り入れたいと考えています。全員が今後もキャリアコンサルティングを受けたいとアンケートで回答していたこともあり、キャリアコンサルティングを受けられる環境も作り、保育士が自発的に自分のキャリアを描いていけるよう取り組んでいきたいと考えています。