株式会社ヨシダ
セルフ・キャリアドックで成長意欲・貢献意欲を引き出す職場づくり
活用テーマセルフ・キャリアドック
所在地北海道苫小牧市あけぼの町3丁目4番7号
業種製造業
事業概要製材・加工
設立1947年
資本金3,000万円
従業員41名
試行導入の経緯
社外の視点を取り入れ、従業員の主体的な能力開発の意欲を引き出したい!
様々な社会環境の変化の中で、一人ひとりの従業員に対し、持っている能力や知識、考え方を、自分の「価値」と受け止めてもらい、自分の価値の向上や成長のため、関心や探求心を持ってほしいという思いを持っていました。そうした従業員の意識改善・行動変容に向けた取り組みに関して、様々な情報収集や取り組みを試行錯誤してきましたが、十分な効果を感じられずにいました。そんな中、令和5年度の道央産業振興財団主催のセミナーに参加し、北海道キャリア形成・学び直し支援センターの説明を聞き、セルフ・キャリアドックの導入提案を受けました。変化や新しい取り組みに対応するための、社員の主体的な能力開発意欲を引き出すきっかけとして、活用できると感じました。
国家資格キャリアコンサルタントと1対1で面談することは、社員にとって、集合研修では得られない経験であると考えました。当社では、先代の社長の頃から、長く工場で働いてくれている従業員が多く、また社外との接点も多くありません。社外のキャリアコンサルタントとの面談で、社外の視点に接することで、自身を客観的に見たり、外の視点からフィードバックやアドバイスを受けたりすることができ、新しい気づきのきっかけになることを期待しました。
取組内容と効果
従業員が自身を客観的に見つめ直し、キャリアを主体的に考えるきっかけづくり
今回の試行導入は、全社員を対象に実施しました。個々の意識・行動変容を促すためには、従業員の思いを余すところなく聴き、また、従業員が自身のキャリアプランを自主的に考えるようになることが必要と思ったからです。社会情勢の影響を推測して自身の行動計画を立てることや、自分が考えていることを言語化することに慣れていない従業員も少なくないため、ガイダンスセミナーでは、できるだけジョブ・カードを作成する時間を設けてじっくり向き合えるようにセミナーを実施してもらいました。
ジョブ・カードの作成によって、これまでを振り返るとともに、キャリアコンサルティングを通して、「一定の気づきがあった」「勉強しなければならないという気持ちになった」等の声が多数ありました。その後、効果があらわれたのか、これまでPC操作に消極的だった従業員が、製造数値の報告をPCに主体的に入力する動きが出てくる等、良い兆しが見えつつあります。日常的な行動に影響や変化が現れてくるのは、これからになると思いますが、部長やリーダークラスには、今回得た知見や気づきを積極的に活用し、従業員の貢献意欲を引き出す動きを期待したいと思います。
今後の取組
管理職が従業員とのコミュニケーションの主役を担う、従業員の人材育成体系とコミュニケーション戦略を進めていきたい
当社では、企業規模の拡大にはこれまで以上に従業員一人一人が自身のミッションを理解して自主的に行動することが重要だと考え、令和6年4月から、他部署の繁忙を理解し、積極的に協力する体制づくりのために新組織体制を構築して、それまでの拠点別組織を生産機能別とし、職務分掌と職務権限を見直していました。そうした組織体制面での見直しに加えて、今回、セルフ・キャリアドックを導入したことで、会社が従業員に求めていた、自ら考え、自主的に行動する意識を根付かせることが期待できる状況になったと考えています。そうした主体的な行動の一層の促進に向け、現在、自己啓発や成長意欲が評価されるような人事評価制度の改編に取り組んでいます。
部長などの管理職が従業員とのコミュニケーションの主役であることを明確にし、人材育成戦略の有力なツールとして、セルフ・キャリアドックを仕組化し機能させるとともに、コミュニケーション戦略も進めていきたいと考えています。
また、多様な人材の活躍できる組織を目指して、当社も障がいを持つ従業員を多く雇用しています。地域の特別支援学校から雇用のあっせんがあり、数名雇用したことがきっかけでしたが、目標に向かって取り組んでくれる社員が多く働いています。その一方で、他の従業員との役割分担やマネジメントの難しさもあり、職場における多様な人材の活躍を実現していくためには、個を活かす工夫が必要になります。今後、キャリアコンサルティングを継続していくことで、個々の思いを汲み取りつつ、お互いを尊重しあえる組織をつくっていきたいと考えています。